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古野電気、工場セキュリティ規程・手順書を整備、IEC 62443に準拠

2026年9月1日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

舶用電子機器大手の古野電気(本社:兵庫県西宮市)は、工場システム向けのセキュリティ規程・手順書を整備し、2026年6月1日に運用を始めた。国際規格IEC 62443に準拠しつつ、現場の担当者が理解しやすい内容に仕上げた。整備を支援したコベルコシステムが2026年9月1日に発表した。

 古野電気は、舶用電子機器を製造・販売している。世界100カ国以上に販売拠点を展開しており、海外での売上比率は60%を超える。こうした中、欧州のセキュリティ規制に準拠する過程で、製品に組み込むソフトウェアのセキュリティについて懸念が浮上した。

 これまでもITセキュリティのルールはあったが、工場の機械をどう安全にネットワークにつなぎ、どう運用するかについてのルールはなく、工場自身でルールを作る必要があった。加えて、工場のデジタル化が進み、生産設備や制御機器までネットワークにつながるようになっていた(図1)。

図1:ITセキュリティだけでなく工場向けのOTセキュリティが必要になっている背景(出典:コベルコシステム)
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 今回、舶用機器生産の主力工場で海外工場の生産も管理する三木工場(所在地:兵庫県三木市)を対象に、工場システム向けのセキュリティ規程・手順書を整備した。手順書は、国際規格IEC 62443(産業オートメーションおよび制御システムのサイバーセキュリティに関する国際規格)に準拠しつつ、現場の担当者が理解しやすい内容に仕上げた。

 プロジェクトは2025年6月にスタート。工場の担当者に情報セキュリティと製品セキュリティの担当者を加えた7人体制を基本とし、ここにコベルコシステムの担当者が加わる形で進めた。週1回2時間の定例会(対面およびWeb会議)を半年にわたって実施し、現場視察で得た実態も規程に反映した。2026年1月にセキュリティ規程を発行し、同年5月末までに手順書も整備、同年6月1日から正式に運用を始めている。

 対策基準の作成にあたって三木工場では、IEC 62443の要求事項を工場内の具体的な業務や運用シーンに結び付けて「利用シーン対応表」として整理した。どのシーンでどの要求事項が必要なのかが明確になり、現場の理解が進んだほか、手順書の作成効率も上がったという。

 手順書の作成では、規程に記載した要求事項に基づき、外部メンテナンス業者の扱いや記憶媒体の管理、製品マスタープログラムの実装フローなどを具体的な手順に落とし込んだ。また、正式運用に先立ち、2026年3月に運用の受け皿となる工場管理部を発足させ、運用直前の同年5月末には各職場のセキュリティ管理者・担当者を対象とした説明会を開催した。

 今後は、PDCAサイクルの実践による継続的な改善・定着化を図る。「2027年度にはPDCAサイクルを1~2サイクル回し、継続的に改善していく仕組みを定着させたい。2030年ごろには、セキュリティが工場の品質管理と同じように当たり前のものとして根付くことを目指す」(舶用機器事業部 三木工場 生産技術部 工場技術課の今廣哲資課長)。

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