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日立、「JP1 Version 9」を発表、社内システムのクラウド化を見据えて仮想環境の監視機能を強化

2009年6月2日(火)IT Leaders編集部

日立製作所は2009年6月2日、統合運用管理製品群の新版「JP1 Version 9」を6月3日より販売開始すると発表した。JP1は、ジョブ管理から資産管理まで、運用管理の幅広い分野をカバーする製品群で構成する。今回のバージョンアップでは、企業内のシステム環境を柔軟に利用する「プライベートクラウド」を見据え、主に仮想環境の管理機能を強化したのが特徴だ。

 新たにサーバー監視製品である「JP1/Performance Management - Remote Monitor」を追加した。従来のJP1にはなかったエージェントレスでの監視機能を搭載。既存システムに変更を加えずに、仮想・物理マシンそれぞれのCPU稼働状況といったシステム情報を取得できる。

 その際、Windowsの場合はシステム監視用インタフェースであるWMI(Windows Management Instrumentation)、Linux/UNIXの場合はリモートでのシェルコマンド入力を利用する。取得した情報は、サーバー管理コンソールである「JP1/Performance Management - Manager」で確認できる。

 統合管理コンソールである「JP1/Integrated Management」も機能強化を図った。仮想化ソフトウェアとの連携により、仮想・物理両環境のシステム情報を自動的に収集・管理可能にした。対応する仮想化ソフトウェアは、当初VMWareのみだが「今後は自社の仮想化技術であるVirtageのほか、マイクロソフトのHyper-Vにも広げていく」(同社ソフトウェア事業部 システム管理ソフトウェア本部 本部長 石井 武夫氏)考えだ。

 現在は監視機能に特化しているものの、監視結果に基づいてアラートを出したり、リソース割り当ての変更といったアクションまで自動化する機能も盛り込んでいく予定だという。

 仮想環境への移行では、CPUだけでなくネットワークやストレージの管理も課題となる。JP1でもこれらを管理する製品である「JP1/Cm2/Network Node Manager」、「JP1/VERITAS」を提供済みであり、今回のバージョンアップに併せ、仮想環境向けに機能強化した。

 運用管理の分野では、日本HPや日本CAなどが、運用管理標準であるITIL(IT Infrastructure Library)に準拠した製品を提供している。

 JP1でもVersion 8において、ユーザーからの問い合わせを管理するサービスデスク製品を投入するなどの動きがあったが、今回のバージョンアップではITIL関連の強化部分はない。だが「まだITILの全分野をカバーできていない。今後のアップデートでは、独自のCMDB(構成管理データベース)の提供も含め機能強化を検討していく」(システム管理ソフトウェア本部JP1マーケティング部主任技師 更田 洋吾氏)という。

 統合運用管理ツールの市場は、「成長率は鈍化したものの、この不景気下でも着実に伸びている」(石井氏)ことを受け、セミナーを積極的に開催するなど拡販を図る。現在170社程度ある販売パートナー数は、「1、2年で10社程度拡大していきたい」(石井氏)とした。

 主要製品の価格は、「JP1/Integrated Management - Manager」が50万4000円から。「JP1/Performance Management - Manager」が31万5000円から。「JP1/Performance Management - Remote Monitor」のOS、Oracle監視用が各38万8500円から、SQL Server監視用が28万3500円から。各製品は09年7月31日から出荷開始する予定。

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