富士通は2010年1月22日、山本 正己執行役員常務が4月1日付けで社長に就任する人事を発表した。年齢は56歳で、山本 卓眞氏の55歳9カ月に次いで歴代2番目の若さとなる。山本氏は社長就任で「真のグローバルITカンパニーを目指す」と抱負を述べた。
新社長となる山本氏は、これまでワープロ「OASYS」の開発やPC、モバイル事業に従事。山本氏自身に海外経験はないものの、富士通と独シーメンスとの合弁会社である富士通シーメンス・コンピューターズ(現富士通テクノロジー・ソリューションズ)の100%子会社化のプロジェクトリーダーを務めた。山本氏は、こうした経験が「富士通の直近の課題であるグローバル展開に生きると考えている」と強調した。
発表時点で取締役会のメンバーではない山本氏は、現取締役会にオブザーバーとして参加。2010年6月の株主総会後に開催予定の臨時取締役会で取締役に任命される予定だ。
現社長で代表取締役会長を兼務する間塚 道義氏は、4月1日以降も会長職にとどまる。併せて「変化の速い市場動向に即応するため」(間塚氏)、5人の執行役員副社長が新社長を支える体制を敷く。具体的には海外担当はリチャード・クリストウ現執行役員副社長、クラウド・サービス担当は石田 一雄現執行役員上席常務、コーポレート・管理担当は藤田 正美現執行役員常務、システム・プロダクト担当は佐相 秀幸現執行役員常務、ソリューション担当は生貝 健二現執行役員がそれぞれ就任する。
新社長の選考は、副社長や上席常務、常務全員を候補として、間塚氏ほか3名による指名・報酬委員会による面接で実施。22日の臨時取締役会で全会一致で決定した。山本氏は同日付けで執行役員副社長に就任した。
同社は2009年9月に野副 州旦前社長が病気療養を理由に辞任。間塚氏が社長を兼務していた。