[技術解説]

Azureを実際に使ってみた!図解で見るAzure活用の流れ

Windows Azure解体新書 Part7

2010年5月25日(火)鳥越 武史(IT Leaders編集部)

Azureの世界に踏み込む敷居は高いのか低いのか。それを確かめるために記者が実際に使って、ごく簡単なプログラムの開発を試みた。その流れを解説する。

「Let's Build!(さあ、アプリを作ろう)」─。レイ・オジー氏の言葉が象徴するように、Azureは既にReady(利用可能)なサービスだ。実際の利用イメージを伝えるため、記者(鳥越)が試した経緯を画面イメージと共に示す。

サービスの購入はものの10数分で完了

まずは事前に全体の流れをつかんでおこうとネットを調べてみると、Azureのサービス紹介サイトが見つかった。ここにはサービス購入やアプリケーション開発、デプロイの手順が写真付きでまとまっている。

一通り目を通すと、Azureの利用にはサービスの購入契約と開発環境の構築が必要なことが判明した。購入手続きは、オンラインサービスの購入ページ「Microsoft Online Services カスタマー ポータル」でできるという。サービス紹介サイトに書かれた手順に従って操作すれば意外なほど簡単に手続きは終了。ものの10数分もあれば済む。

次は開発環境の整備だ。こちらもサービス紹介サイトに、必要なツールや導入手順が記載されている。導入が必要となるのは統合開発環境「Visual Studio」と、そのアドオンであるAzure用開発支援ツール「Windows Azure Tools」だ。Visual Studioは2008 SP1か2010、無償の「Visual Web Developer 2008 Express Edition SP1」のいずれかが利用できる。記者はRC版が無償提供されていた2010を選択した。

開発環境整備にはVista以上が必須

すべてトントン拍子と思っていたらWindows Azure Toolsのインストールでつまずいた。私が使っているWindows XPマシンにはインストールできないのだ。これはVista以上のOSにしか提供されていないIIS7.0が必要になるためだ。やむなく最新版のWindows 7に入れ替えた。

次はいよいよプログラム開発だ。Visual Studioには、Web ロールやWorker ロールといったAzure向けの開発テンプレートが用意されている。だが対象言語はC#とVisual Basic(Worker ロール用はF#向けも)で、記者が扱えるC/C++向けのものはない。これを機に新しい言語を一から習得しないといけないのだろうか…。タイミングよく、今回の特集に関する打ち合わせでマイクロソフトの担当者に会う機会があったので相談したところ、救いのアドバイスをしてくれた。それは「Windows Azure Platform デベロッパー センター」と呼ぶサイトで、Azure用アプリケーションのサンプルプログラムや解説が分かりやすくまとまっている。

サンプルプログラムも豊富 開発・本番の移行も容易

そこにある解説の手順に沿ってソースコードや画面を設計し、ビルドなどの操作をすることで、何とかプログラムは完成に至った。結果としてAzureに配置するアプリケーションパッケージと設定ファイルの2つが生成される。同時にWebブラウザが立ち上がり、Azureへのデプロイサイトが開く。

開いた画面にはファイルをアップロードする部分はどこにもなく、何をすべきか戸惑った。そこでAzureのサービス紹介サイトを見返すと、まずは実行環境である「Hosted Service」を作成する必要があるとのこと。説明に沿ってHosted Serviceを作成し、Visual Studioで生成したファイルを開発環境である「Staging」にアップロード。仮想マシンを実行すると、無事にサンプルアプリケーションが起動した。本番環境の「Production」へは、ワンタッチで移行することができる。

悩むより、手を動かす。Azureを初めて使ってみての結論だ。

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