[インタビュー]

「OEM先との競合を避けてFCoEスイッチのシェアを高める」─米QLogic幹部

2010年7月6日(火)IT Leaders編集部

米QLogicは、SAN(Storage Area Network)接続を中核としたI/O製品を開発するベンダーである。サーバー機向けのI/O拡張アダプタ・カード(HBA/NIC)から各種スイッチ機器まで幅広くラインアップする。インプレスビジネスメディアは2010年7月6日、同社幹部に、I/O製品の動向と同社製品の特徴を聞いた。

---扱っている製品の種類は。

Steve Zivanic氏: アダプタ、スイッチ、ASIC(特定用途向けIC)---の3つだ。

アダプタは、サーバー機向けのI/O拡張カードだ。用途に応じて、FC(Fibre Channel)接続用のHBA(Host Bus Adapter)、イーサネット接続用のNIC(Network Interface Card)、次世代イーサネットとFCoE(FC over Ethernet)で利用するCNA(Converged Network Adapter)---を用意している。

スイッチは、ストレージ接続やネットワーク接続の中継装置だ。FC接続用のスイッチや、FCおよびFCoE接続用のスイッチ、さらに、サーバー間接続などに用いられるInfiniBandのスイッチを用意している。

ASICは、ストレージ接続やネットワーク接続に用いる各種プロトコルの制御機能などを実装した、半導体チップである。スイッチ製品をみずから設計する場合や、アダプタ機能をマザー・ボードに実装する場合などに利用する。

OEM(相手先ブランドによる生産)比率は、75%だ。アダプタ、スイッチ、ASICのすべてを、サーバー・ベンダーに対してOEM供給している。

---FCoEに関して、アダプタだけでなくスイッチに注力する背景は。

Martin Darling氏: FCoEスイッチの市場は大きく、今後の成長が見込めるからだ。さらに、FCoEスイッチを供給しているベンダー各社の現状を考えると、米QLogicに大きなチャンスが広がっているからだ。どういうことなのか、説明しよう。

現在、FCoEスイッチは、米Brocade Communications Systems、米Cisco Systems、米QLogicの3社が供給している。このうち、OEM供給先となるサーバー・ベンダーから見て競合とならないニュートラルな立場にいるスイッチ・ベンダーは、米QLogicだけだ。

米Brocade Communications Systemsの場合、OEMだけでなく、自社ブランドのFCoEスイッチを販売チャネル経由で提供している。特に、米Foundry Networksの買収以後は、自社ブランドのイーサネット・スイッチの販売に注力している。

イーサネット・スイッチは、OEM供給先となるサーバー・ベンダーも製品化している。つまり、サーバー・ベンダーから見て、米Brocade Communications Systemsは、競合相手となってしまっている。果たして、ビジネス上競合する会社の製品をOEMとして受け入れ続けるものだろうか。

米Cisco Systemsの場合は、すでにイーサネット製品分野で標準的な地位を確立しているため、米Cisco Systemsが自社ブランドのスイッチを販売していても、サーバー・ベンダーはあまり気にしない。ここには一日の長がある。

ところが、米Cisco Systemsにも弱点はある。Cisco UCS(Unified Computing System)と呼ぶPCサーバーを扱うようになったからだ。このため、米Hewlett-Packardや米DELLなどのサーバー・ベンダーとの間で、すでに友達ではなくなっている。

この2社の現状に対し、米QLogicは、OEM供給先と競合関係にならないよう努力している。現実に、FCoEスイッチの販売経路はサーバー・ベンダーへのOEM供給に限っており、QLogicブランドでの展開はしていないのだ。

こうした理由から、OEM供給先であるサーバー・ベンダーのビジネスを脅かすことなく、彼らと良好な関係を実現できるFCoEスイッチ・ベンダーというと、米QLogicだけになる。

この有利なポジションをさらに有効に活用するため、FCoEスイッチにFlex Portと呼ぶ機能を搭載して差別化している。

---Flex Portとは何か。

Steve Zivanic氏: スイッチが備える単一のポート(形状はSFP+)の用途を、用途に応じてFC、iSCSI(イーサネット)、FCoEの3種類のうち好きなものに切り替えられるようにする機能だ。市場ではカメレオン・ポートと呼ばれており、実際に、ポートの用途に応じて色が緑、青、黄色に変わる。

現在、米Hewlett-Packardのブレード・サーバー向け管理ソフト「HP Virtual Connect Enterprise Manager」(VCEM)が、Flex Portに対応している。VCEMの管理画面でシステム構成を変更すると、スイッチのFlex Portの役割が切り替わる。

iSCSIとFCoEの切り替えだけでなく、FCのポートとイーサネットのポートを切り替えて利用できる。帯域以外にはポート数の制約をあまり受けないため、FCとFCoE/iSCSIが混在した環境において、FCoEスイッチとFCスイッチを別途用意することなく、スイッチ機器を1台で済ませる運用が可能になる。

左から、日本支社で日本代表を務める安田稔氏、米QLogicでコーポレート・コミュニケーション担当シニアディレクタを務めるSteve Zivanic氏、米QLogicでアジア太平洋地域セールスVPを務めるMartin Darling氏、日本支社でOEM営業ディレクタを務める山野洋幸氏
写真1:左から、日本支社で日本代表を務める安田稔氏、米QLogicでコーポレート・コミュニケーション担当シニアディレクタを務めるSteve Zivanic氏、米QLogicでアジア太平洋地域セールスVPを務めるMartin Darling氏、日本支社でOEM営業ディレクタを務める山野洋幸氏
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スイッチ/ルーター / FC / SAN / InfiniBand

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