ブロケードコミュニケーションズシステムズは2011年2月4日、都内で説明会を開催し、TRILL準拠のエッジ・スイッチ「Brocade VDX 6720」の機能を実演した。用意した実機3台が論理的に1台のスイッチとして動作することを示した。「データ・センターのL2層がシンプルになる」(同社)。
同スイッチは、要素技術に、IETFのTRILLを使う。イーサネット・フレームをカプセル化して経路情報を付与し、L2でルーティングする規格であり、スイッチ間の接続リンク(経路)を有効活用できる。これによって可能となる機能として、デモでは大きく、以下の3つの機能を実演した。
(1)識別用に個別の名前を付けたスイッチ同士をケーブルでつなぐだけで、スイッチ群の全体が論理的に1台のスイッチになること。ケーブルの接続や切断に応じて、動的に構成が変わること。1つのスイッチで学習したMACアドレスが、時間をおかずにスイッチ全体で共有されること。
(2)MACアドレスごとに、ポート設定情報(所属VLAN、ACL、QoSなど)をひも付けて管理できること。ライブ・マイグレーションによって仮想サーバーがポートを移動した際に、MACアドレスの移動にともなってポート設定情報も追従して移動すること。
(3)スイッチ同士をつないだケーブル(経路)を有効活用できること。トランク接続(あらかじめ複数のケーブルを束ねて1本の太いケーブルとして使えるようにしておく設定)だけでなく、通信経路が複数ある場合は、これらに対してトラフィック負荷を等分して分散できること。
なお、同社は2010年11月に、Brocade VDX 6720の販売を開始している(関連記事)。
写真1 機能をデモ実演したBrocade VDX 6720の実機(3機)