今回のPulse Japan 2012では「モバイル」が大きな柱の1つとしてフォーカスされている。これはスマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスの世界的な普及を受け、コンシューマレベルだけでなく業務でも活用する動きが加速しているというトレンドを受けてのことだ。
モバイルデバイスを業務で活用するメリットとしては、移動時間や外出先での空き時間を利用して業務を進めることができる点が挙げられる。一方で、セキュリティおよびコンプライアンスが確立していなければ業務にモバイルデバイスを利用するのは難しいという側面もある。
業務効率をアップする便利なモバイルデバイスを安全に使うには、それらを一元管理するソリューションがあることが望ましい。2012年3月にリリースされた「IBM Endpoint Manager for Mobile Devices V8.2(以下、Endpoint Manager)」はそういった新たなニーズに応えるエージェントソフトウェアをベースにした製品だ。
Endpoint Managerは、個々のモバイルデバイスにエージェントを導入し、そこで収集する各種の情報を管理サーバーのコンソール上で一元管理するのが基本的な仕組みだ。デバイスのモデル名、ユーザー名、導入アプリケーションの種類といった情報がすべて可視化されて管理サーバーのコンソール上で表示され、どのデバイスがどこでどんな動きをしているのか、一元的に把握することが可能になっている。1台の管理サーバーで最大25万台のモバイルデバイスを管理できるという点も特徴の1つだ。
また、Endpoint Managerは地図上でデバイスの位置をリアルタイムに把握できるため、ユーザーの位置情報を示すだけでなく、紛失したデバイスの捜索にも威力を発揮する。加えてV8.2からは、紛失/盗難が発覚したデバイスに対して、画面のロックやデータの消去および端末の初期化を管理コンソールから遠隔で実行できる機能も併せ持つ。
その他、パスワードルールの設定やデータの暗号化、カメラの使用禁止、電子メールへのアクセス制限などの機能を備えており、これらを適宜組み合わせてそれぞれの企業や組織のポリシーに準拠した設定を柔軟に行える。
モバイルOSとしてはiOS、Android、Windows Phoneなど、メジャーなOSにはほぼ対応済み。ライセンス価格は管理対象1台あたり8,660円。モバイルデバイスの業務活用を検討中の企業は、ぜひともPulse Japan 2012の展示会場で実物に触れてみてほしい。