カレンは2012年8月24日、ソーシャル分析サービス「Social Navigator Marketing Edition」を発表した。Twitterの投稿から自社ブランドや製品などに対する評価を抽出して可視化する。主にキャンペーンの効果を検証したり、販促戦略の立案を支援したりする用途を見込む。
「SNiper」と呼ぶ独自の言語処理エンジンを採用する点が特徴だ。社員や販売代理店といった関係者のつぶやきを自動で判別し、これらを分析対象から取り除くことができる。消費者の発言のみを抽出することで精度の高い分析を可能にする。
日本語独特の言い回しを理解し、評価がポジティブなのかネガティブなのかを正しく判断できるという。例えば「○○シューズ、軽すぎてやばい」をポジティブな評価と判別し、「○○シューズ、靴ずれがやばい」をネガティブな評価と判別する。「海外製の言語処理エンジンはこうした日本語の文脈を理解するのが苦手だ。国産の処理エンジンとして、日本語を正確に理解することにこだわった」(ソリューション事業部 サービス開発室 室長 加藤弘道氏)。
SNiperは標準機能として、ポジティブとネガティブの判別と、製品の購入者と非購入者を識別する。これらに加え、購買意欲の高いユーザーや、競合製品への買い替えを示唆するユーザーなどの独自の判断項目を追加することもできる。
こうして判別した分析結果を、主に3つの機能で可視化する。「トレンドインテリジェンス」は、企業やブランドなどに対してポジティブかネガティブかをグラフで示す。突発的にネガティブな投稿が増えた場合、その日に誰がどんな投稿をしたのかを確認することも可能だ。
「プロッティング」は、影響力のある消費者を特定するのに用いる。ユーザーごとにどのくらいの頻度で、ポジティブ(もしくはネガティブ)な投稿を繰り返しているのかを可視化する。ブームの兆しや終焉を把握したり、ネガティブな投稿を続けるユーザーを見つけて個別に対応したりするのに役立つ。
「ターゲットインテリジェンス」は、特定の条件に基づくユーザーを個別に抽出する。購買意欲の高そうな人や、発言の影響力の高い人などを選び出す。新規の見込み客を特定できることから、効率的な営業活動を支援する。
月額料金は5万円。初期費用は10万円。複数の製品名やブランド名を分析対象に含める場合、キーワード1つあたり2万円がかかる。
なお、対象となるソーシャルサービスはTwitterのみで、今後はFacebookなどへの対応を予定する。分析対象となるTwitterの投稿は過去13カ月分で、ランダムに抽出した全投稿の20~30%のものに限る。

「トレンドインテリジェンス」の画面例。いつポジティブ(もしくはネガティブ)な投稿が増えたのかを確認できる。期間を限定してキャンペーンの効果などを測定するのに役立つ
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