IT専門調査会社のIDC Japanは2013年9月4日、国内サーバー市場の2013年第2四半期(4~6月)の動向を発表した。市場規模は前年同期比で13.1%減の928億円、出荷台数は同16%減の11万6000台だった。この中で、メインフレームとx86サーバーがプラス成長したという。
メインフレームが前年同期比でプラス成長したのは、金融業向けの大型案件があったため。一方のx86サーバーは、仮想化が広がり、メモリーやハードディスクの搭載量が増えたことから平均単価が上昇。これにより、出荷台数はマイナスながら、出荷額ではプラス成長になった。x86サーバーの平均単価(総出荷額÷総出荷台数)は、2013年1~3月期に続き上昇し、前年同期比7.4%増の51万円だった。
IDC Japanサーバーリサーチマネージャーの林一彦氏は、「x86サーバーの出荷台数が5期連続のマイナス成長を記録する中で、出荷額は3期連続でプラス成長を維持しているのは平均単価の上昇傾向が続いているため。為替の影響だけでなく、仮想化の進展で、メモリーやハードディスクなどの周辺機器の搭載量が増加したことが平均単価上昇の要因である」としている。
RISCサーバーとIA64サーバーはともにマイナス成長で、前者は6四半期連続、後者は4四半期連続のマイナスである。
ベンダー別の出荷額で見れば、首位は24.1%を占めたIBM(図)。メインフレームによる大型案件のほか、x86サーバーでは「FlexSystem」の出荷が好調だったという。同社以外で、x86サーバーの出荷額を伸ばしたは、4半期連続プラスの富士通と2桁成長の日立製作所だけなので、今期の出荷傾向は3社の出荷実績が大きく反映されているといえる。
2位以下は、NEC(シェア16.2%)、HP(同15.2%)、富士通(同14.9%)、日立製作所(同11.3%)が続く。NECはIA64サーバーでプラス、HP、x86サーバー、IA64サーバー、ビジネスサーバーのいずれもがマイナス成長だった。富士通は、x86サーバーを除くと、メインフレーム、RISCサーバー、ビジネスサーバーのいずれも振るわなかったとしている。
市場動向の詳細は、『国内サーバー市場2013年第四半期の分析』(IDC)で報告される。