企業が様々な情報を管理するにあたっては、コンプライアンスに則り、実際の活動についてきちんと説明できることが欠かせない。一連の活動を支援するソフトを日本HPが発売した。
「ISO15489(JIS X 0902-1)」という標準をご存じだろうか。情報およびドキュメンテーションの記録管理に関わるISO標準である。企業が生成したり扱ったりする情報=記録に関して、その生成から受取、保守、使用、整理に対する手順を定義したものだ。なんだかやっかいだが、コンプライアンス(法令遵守)や、その説明責任のために必要とされる。一連の指針を示すものとして2001年に制定された経緯がある(JIS X 0902-1「情報及びドキュメンテーション -記録管理-」として制定されたのは2005年7月)。
これをサポートするドキュメント/記録管理ソフトを、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が発表した。具体的には、中核ソフトの「HP Records Manager 8」、情報の内容に応じて分類や廃棄を行うデータ管理ソフトの「HP ControlPoint 4.1」、アーカイブソフトである「HP Application Information Optimizer 7.1」、データ保護ソフトの「HP Data Protector 8」の4種がある。同社は金融機関や政府機関向けを中心に、事業をグローバル展開する企業にも販売していく考えだ。
HP Records Manager 8は、コンプライアンスを重視する企業向けの、ドキュメント/記録管理ソフトウェア。業務アプリケーションが生成・管理する情報に加え、マイクロソフトOfficeやSharePoint、IBM Notesなどのドキュメントやメールを含めた情報を、生成から廃棄まで管理する(詳細はhttp://www.autonomy.com/html/participate/rm8/html/index.html)。
HP ControlPoint 4.1は、電子メールや共有ファイルなど、様々なデータソースに含まれる情報を分析。例えば古い情報から有用な情報を識別し、フィルタリングや分類を行ったり、企業のデータ保持ポリシーから逸脱した古いデータを破棄するソフト。監査証跡を保持できる。増える一方の情報を減らし、効率化やコスト削減を図りながら、コンプライアンス対応を可能にする。
これら2製品は、構造化データに加えて音声や動画電子メール、ウェブコンテンツなどの非構造化データを一元的に分析、管理できる「Autonomy IDOL」の一部である。
残る2製品は、既存製品のアップグレード版。HP Application Information Optimizer 7.1は、各種DB上のデータを効率的に保存、参照できるようにするソフト。DB上の非アクティブなデータを低コストのストレージに移動する用途向けだ。最新バージョンでは、更新が終了し塩漬けとなっているDBを検索可能な形で管理する「アプリケーション引退」機能を強化した。
HP Data Protector 8は物理/仮想が混在した環境におけるバックアップ、リカバリを行うためのソフト。重複排除機能によりバックアップ時間の短縮やの運用コストを削減できる。最新版は拡張性とパフォーマンスを強化し、1つのバックアップ環境で1兆個のファイル、5000台のクライアント、9万9999セッション/日に対応した。バックアップのスピードは最大140TB(時理論値)という。