アイキューブドシステムズは2014年2月19日、ユーザー企業におけるスマートデバイス利用実態調査の結果を発表した。自社製品の導入企業を対象としているため、必ずしも企業全体の平均値ではないものの、スマートデバイスの業務利用を開始している企業が、どんな状況にあるのかを知る手がかりになるだろう。
対象は、アイキューブドシステムズのユーザー企業。スマートデバイス向け開発・運用プラットフォーム「CLOMO」のユーザーから無作為に350社を抽出した。2013年11月11日から12月27日にかけて、電子メールによるWebアンケートを実施。161社から回答を得た。
スマートデバイス導入の目的を尋ねる設問では、全体の78%が「外出先でのメール対応」を挙げた。以下、「営業ツール(55%)」「社内システムへのアクセス(53%)」が続く。「フィーチャーフォンの代替」と回答したのは9%に留まった。
導入の課題については、「紛失などの危険性(77%)」「情報漏えい等のセキュリティの不安(75%)」などが上位を占める。「管理者側の運用管理に関わる負担(55%)」「モバイル全般に対する利用者側の知識不足(40%)」といった課題は、実際にデバイスを運用している企業ならではと言える。興味深いのは、半数を超える企業が「業務においての活用方法」を選んでいる点。デバイスを具体的にどう活用するか、導入後も模索している企業が少なくないようだ。
BYODの導入状況についても尋ねた。「既に導入済み」と回答したのは、全体の約21%。「導入を予定し、計画を進めている(14%)」を合わせると、全体の3分の1がBYODを許可する方針だ。なお、「BYODを知らない」と回答した企業も14%いた。
導入デバイスの機種は、iPadが91%でダントツの首位(複数回答可)。顧客へのプレゼンテーションや、ペーパーレス会議など、業務での用途を描きやすいためだろう。iPhoneは48%だった。Androidは、スマートフォンが24%、タブレットが15%。iOSと比べると絶対数は少ないが、セキュリティ面での課題が盛んに指摘されてきただけに、思いのほか、導入は進んでいる印象を受ける。調査では、コスト面を重視する企業が、Androidを選択していると分析している。
各企業は誰にデバイスを配布しているのか。最も多いのはやはり営業担当者だった。全体の80%以上の企業が配布対象としていると答えた。ただし、「ほぼ全部署」と回答した企業も39%存在する。職位による差はあまり見られない。「全社員(37%)」「職位に関係なく、目的に沿って配布している(48%)」といった回答が8割を占めた。