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「タッチパネル上でツルツル、ザラザラ」―富士通がリアルな触感を表現できるタブレットを試作

2014年2月24日(月)IT Leaders編集部

富士通は2014年2月24日、ツルツル感やザラザラ感といった凹凸の触感が得られるタッチパネルを搭載したタブレットを試作したと発表した。富士通研究所が新たに開発した触覚技術を応用して実現したもので、現在、スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress 2014の同社ブースで、試作機の展示・デモが行われている。

 富士通研究所は、超音波振動を発生させてタッチパネルと指との摩擦力を変化させ触感を提示するという仕組みで触感タッチパネルを実現した。タッチパネル自体の振動や静電気の発生によって凹凸感などの感触を伝える技術は以前からあったが、今回発表された技術はこれが業界初となる。

触覚技術を搭載したタブレットの試作機(出典:富士通)

 そのツルツル感やザラザラ感を実現する仕組みを現したのが下の図である。タッチパネルの表面を超音波振動させることにより、パネル表面と指との間に高い圧力の空気膜を発生させ、その浮揚作用により摩擦力が低減。ユーザーは、この現象を利用したタッチパネルに触れた際に、従来実現が難しかったツルツル感を感じることができるという。富士通によれば、超音波周波数帯の振動には大きなエネルギーを要するが、携帯端末サイズで効率よく振動させられる技術を開発したことで、この触感を試作機上で実現することに成功したという。

 また、パネル上を操作する指のタッチ情報と画面の表示情報に応じて摩擦力の高低を瞬時に変化させることで、ユーザーに触感の錯覚を誘発し、ザラザラ感・凹凸感を表現できるという。富士通研究所ではさらに、ディスプレイに表示される視覚情報とスピーカーから出力される音響情報を効果的に提示することで、画面に表示された情報をより豊かに表現する工夫を施している。

触感実現の原理(出典:富士通)

 

 従来、タッチパネル上で表現が難しかった“ツルツル感”や“ザラザラ感”を実現できるようになったことで、ユーザーは、その触感をタブレットなどのデバイスのインタフェースに、リアリティのある様々な感覚を楽しむことが可能となるという。

 視覚・聴覚・触覚をあわせた新たな感覚を実体験できる場として、富士通はMWC 2014で展示中の試作機で以下の4つのデモを行っている。

●琴:日本の伝統的な弦楽器である琴に触れた際に、実際に弦を弾いているかのような感触を得ることができる。
●DJ:CD表面のツルツルとした感触をはじめ、実際にレコード盤を動かしてリミックスをさせているような感覚や、音量など操作バーの凸感等を得ることができる。
●金庫:金庫のダイヤル錠を回す感覚が実感でき、さらにロック解除を音と触感でも確認できる。
●ワニ:ワニの画像を触ると、触った部位にあわせた異なる触感を感じることができる。

 富士通/富士通研究所によれば、今回発表した技術では、触感表現とその多様化について今後も研究開発を継続し、2015年度中に製品化することを目指しているという。富士通グループでは以前より、スマートデバイスにおいて視覚や聴覚をユーザーインタフェースに取り入れる技術の開発に取り組んできた。今回の発表で、それらの感覚に触覚が加わることで、同事業で富士通が推進する、スペック重視から“感性価値”へのシフトを加速させるとしている。

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