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【Impact2014レポート(後編)】Composable Businessのもう1つの面はデータ活用の「Actionable Insight」

2014年5月8日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

2014年4月27日~5月1日(現地時間)に米ラスベガスで開催された米IBMの年次カンファレンス「Impact2014」では、「ビジネスや事業に貢献するIT」に焦点が当てられた。「Be First!(1位になる!)」になるためのキーワードとして「Composable Business」を掲げ、具体的な手段としてPaaS(Platform as a Service)の「BlueMix」を強調した。カンファレンスの内容は、ITの方向性を考えるうえで、示唆に富むものだった。後編では、2日目の基調講演を中心に紹介する。

 マイクロプロセサをはじめ、様々なハードウェアを提供するIBMならではの話だ。だが、接続するデバイス数や得られるデータ量が級数的に増えることを考えれば、スケールアウトによる分散処理だけでは対応しきれない可能性もある。この意味で単なるハードウェアの宣伝と切って捨てることはできない話だ。

 しかも念の入ったことに、この後、米国に8700弱の店を展開するドラッグストアチェーンのWalgreensから、テクノロジーアーキテクチャサービス担当の上級ディレクタであるJason Stott氏が登場。Pure Application Systemの事例を話した。

 「1日の来店客数は1100万人。毎日210万件の処方箋を出し、7万に及ぶ取引先と連携しています。日々拡大する処理量の増加とセキュリティにどう対処するかが問題でした。顧客を待たせないよう薬剤師の仕事をどう最適化するかを検討した結果、BPM/ODMを使ってアプリケーションを開発し、パターンの形で迅速に6台のPure Application Systemに展開することにしました。米国は州によって調剤ルールが違いますが、それをBPMで吸収することで処方できる量が劇的に増えました。時間で言えば、従来4時間かかっていたのが、今はすぐにできます」。

 締め括りにIBMソフトウェアグループのジェネラルマネジャーであるMarie Wieck氏が、こう話した。「Pure Application SystemのパターンをSoftLayer上で展開可能にします。Pure Application Servicesというわけです」。

 新製品が登場したわけではないが、この発表はImpact2014であまりフィーチャーされなかったPure Application Systemにとって意義深いことかも知れない。クラウドでもパターンが稼働するとなれば、サードパーティが提供するパターンの増加が見込めるからだ。

展示会場ではITインフラの重要性を全面に押し出す

 最後に展示会にも触れておこう。出展社数は54社。インテルを除けば大手ITの出展は皆無で、ソリューション・パートナーが大半を占めた。Infosys、TATA CONAULTANCY SERVICES(TCS)、WiproといったインドIT大手3社のほか、Miracle Software Systems、Prolifics、CSC、Capgeminiなどだ。WebSphere関連のミドルウェア主体のカンファレンスだけあって、BPMやODM専業ベンダーの参加も目立つ。日本ではなじみがないが、EmeriConや、BP3、Glinttといった企業である。

 最も大きな面積だったのはIBMだ。天井から大きな円形の造作物をつり下げてアピール。例えばPureSystemsやPowerなどのITインフラを「Infrastructure Matters」というメッセージのもと、相当の面積を割いて展示した(写真1)。

写真1:「Infrastructure Matters」を主張するIBMの展示(左)、モバイルの展示ではデバイスを使っての体験コーナーや大型のパネルを展開していた
写真2:米Googleが設計したPowerプロセサ搭載のマザーボード。Infrastructure Mattersを示す例だ
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 モバイルのコーナーでは体験用のデバイスを並べたり、図を中心にしたパネルを用意するなど見せ方に工夫を凝らしたりしていた。前出のOpenPOWER財団も出展。Googleが開発したPowerプロセサ搭載のマザーボードが展示されていたこともあって、来場者の足を止めていた(写真2)。

 感心させられるのが、展示会場とは少し離れた場所にある書籍の販売コーナー。プログラミング言語からミドルウェア、クラウド、ビッグデータ、ビジネス変革まで、関連する専門書がずらりと並ぶ。見ていると買っていく人が多く、売れ行きは好調。来場者の情報収集意欲はかなり高いようである。

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【Impact2014レポート(後編)】Composable Businessのもう1つの面はデータ活用の「Actionable Insight」 [ 3/3 ] 2014年4月27日~5月1日(現地時間)に米ラスベガスで開催された米IBMの年次カンファレンス「Impact2014」では、「ビジネスや事業に貢献するIT」に焦点が当てられた。「Be First!(1位になる!)」になるためのキーワードとして「Composable Business」を掲げ、具体的な手段としてPaaS(Platform as a Service)の「BlueMix」を強調した。カンファレンスの内容は、ITの方向性を考えるうえで、示唆に富むものだった。後編では、2日目の基調講演を中心に紹介する。

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