中国電力は2014年6月下旬、島根原子力発電所に「故障予兆監視システム」を導入する。有効性を確認しながら、検知精度などのチューニングを進めていく。システムを共同開発したNECが、2014年5月23日に発表した。
中国電力は2012年10月から、島根原子力発電所の技術訓練用施設において新システムの実証試験を実施してきた。その結果が良好だったことから、実際の施設において有効性確認に踏み切った。
新システムは、発電所内の各所に設置したセンサーから収集する計測データを分析し、故障の予兆を検出する。具体的には、振動や圧力、温度、加速度といったデータ同士の関連性を発見し、正常な状態と異なる場合にアラームを出す。これは、熟練した技術員が発電機の振動音、回転軸の揺れ、稼働温度などから総合的に設備状況を確認するプロセスと同様の解析手法だ。単純なしきい値による故障判定よりも、早期に予兆を発見できるという。
NECの独自技術である「インバリアント分析技術」を用いて開発した。予兆検出だけでなく、異常が見つかった際の影響範囲の抽出や原因の切り分けといった機能も備える。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 中国電力 |
業種 | エネルギー |
導入システム | 故障予兆監視システム |
導入目的 | 設備故障の監視・予防 |
導入時期 | 2014年6月 |
主な利用製品 | 「大規模プラント故障予兆監視システム」(NEC) |