データに基づく意思決定によって、新たなビジネスの領域へ踏み出す−−。こうした動きを加速し、日本の競争力として確実に定着させることが、データビジネス創造フォーラム開催の趣旨である。講演プログラムを設計し、ご講演いただく方々を招聘した実行委員会の各委員は、どのような将来像を描きながら、本フォーラムに携わっているのだろうか。実行委員会有志による座談会で、それぞれが思いを語った。
写真1:データビジネスの未来について語り合う「データビジネス創造フォーラム」の実行委員羽根 アクティブラーニング代表取締役社長CEOの羽根 拓也です。米ハーバード大学などと連携しながら、次代を担う人材育成の支援をしています。大学でもデータサイエンティストの育成などが始まっているのでしょうか。
工藤 アクセンチュアでアナリティクス部門を統括しています工藤 卓哉です。企業におけるデータ分析支援に加え、教育政策にも力を入れています。実行委員でもあるブレインパッド代表取締役社長の草野 隆史さんと一緒に、慶應義塾大学でデータサイエンスの授業をもたせていただいているほか、東京大学公共政策大学院行政CMO研究会では、城山 英明 先生、奥村 裕一 先生と一緒にオープンガバメントを研究しています。
写真2:クセンチュアでアナリティクス部門を統括する工藤 卓哉 委員慶應でのデータサイエンスの授業では、線形代数や微分積分といった数学の分野が必修科目に指定されていて、学生は基礎から学ばざるを得ない状況に置かれています。これは、データサイエンティストの育成においては、すごく重要なことだと思います。文部科学省が進めるSSH(スーパーサイエンスハイスクール)でもデータサイエンスへの関心が高まっていて、私も各地のSSHを訪ねる機会が増えています。
ただ、それでも日本が遅れていることは事実です。例えば、米カリフォルニア州では、州政府が20億弱の予算を確保し、中等教育における必修カリキュラムとして数学や統計などの授業を展開しています。
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