地震や台風、ゲリラ豪雨など、企業は様々なリスクを想定してシステムを構築・用する必要がある。いわゆるBCP/DR(ビジネス継続計画/ディザスタリカバリ)だ。しかし資金や人材面で余裕がある大企業はともかく、中堅中小企業にとっては“言うは易く行うは難し”の典型例でもある。そこに向けて日本マイクロソフトが、クラウドサービスを利用した「Azure Site Recovery(ASR)」の提供を開始すると発表した。
Azure Site Recovery(ASR)は、Windows Server 2012R2 Hyper-V上の仮想マシン(VM)を対象にしたバックアップサービス(図1)。同時にNASのデータをクラウドにバックアップする「Azure Backup」も発表した。
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両サービスの利用を促進するため、2015年6月30日までのキャンペーン価格を用意する。1VMと100GBをバックアップした場合の使用料金は月額2657円で、スマートフォンの利用料よりも安いのが特徴だ(図2)。
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ASRでは、バックアップのサイトをAzure上に構築する。物理的にバックアップサイトを用意するのに比べると初期費用は不要になる。ASRを使わず、Azureの仮想マシンを調達しても同様のバックアップが取れる。だが、その場合は技術的なノウハウが必要なのに加え、調達する仮想マシンが汎用のため利用料金も高くなる。
マイクロソフトは世界8拠点でASRを提供する。うち2拠点を日本に置く(図3)。「日本への期待の大きさと日本重視の表れ」(同社)とし、利用企業にとってはネットワーク遅延が少なく、データが国外に出ない利点があるという。
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それでも中堅中小企業には、Azureの契約や設定が負担になり得る可能性もある。そこでパートナー企業16社によるフルサービスを用意した。大塚商会やSCSK、富士通グループやNTTデータ、NECフィールディングなどが名前を連ねている。各社のサービスを利用する場合、Azureの知識は一切不要だとしている。
一方、データのバックアップができるNASは、アイ・オー・データ機器、バッファロー、ロジテックの3社の製品。3社はWindows Storage Server2012R2を搭載したNASアプライアンスを提供する。