データ活用への期待が膨らむなか、その管理場所となるデータベースの重要性も高まっている。企業情報システムにおけるデータベースは、RDB(Relational DataBase)が“常識”だ。しかし、データ量の爆発やデータ型の多様化、モバイル環境などからのアクセス数の増加といった要件の台頭により、NoSQL型データベースの利用場面が増えている。例えば、OSS(Open Source Software)のKey-Value型データベースである「Apache Cassandra」が日本でもミッションクリティカル領域を含め適用例を伸ばしているという。なぜ今、Cassandraなのか。そして、なぜ認知度が低いのか。早くからCassandraを利用している技術者が現状を語り合った。(進行は志度昌宏=IT Leaders編集部、文中敬称略)
−−本日は、Key-Value型データベースである「Cassandra」の“今”をお聞きしたいと思います。最初に自己紹介を兼ねて、Cassandraとの関わりからお話しいただけますか。
冨田和孝(以下、冨田) 日本Cassandraコミュニティの冨田和孝です。2010年に日本でCassandraの勉強会を立ち上げて以来、Cassandraの普及活動に携わってきました。2011年からは、技術的な議論だけでなく、ビジネス面でも議論ができるように「Cassandra Summit」も始めました。
勉強会を立ち上げた理由ですが、私は以前、飲食店情報ポータルサイト「ぐるなび」のDBA(DataBase Administrator:データベース管理者)を務めていました。在職中は、大規模で高負荷なアクセスに苦しめられ、いつも「夜、きちんと寝たい」と思っていました。
その経験を元に、自分自身の勉強を兼ねて「分散型、マスターレス、インメモリー」の要件に合うデータベースを作り始めたのですが、その頃に偶然出会ったのがCassandraだったのです。今は、Cassandraのコンサルティングなどを提供するINTHEFORESTの代表も務めています。
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