かつて「知られざる、インターネット上最大の企業」といわれたAkamai Technologies(アカマイ・テクノロジーズ)。今や世界の全Webトラフィックの約30%を扱うコンテンツ・デリバリー企業として、世界中の膨大な数のWebサイトのパフォーマンス向上に寄与している。そんな同社が、Webコンテンツのリッチ化とモバイルの急速な進展に伴う「Webのスローダウン問題」を解決すべく取り組みを進めている。
Webサイトのリッチ化が「遅さ」の原因に
「テクノロジーというのは、時間が経つにつれてスピードがアップし、品質が良くなり安くなるものだが、Webページのパフォーマンスだけが唯一スローダウンしている」。アカマイでアジア太平洋&日本担当シニア・バイスプレジデントを務めるマイク・アファガン(Michael M. Afergan)氏はそう指摘する。つまり、Webページを開くとき、以前より「遅い」と感じることが増えているというのだ。
これには心当たりのある方も多いだろう。最近のWebサイトは、解像度の高い画像や動画をふんだんに使っており、さまざまに工夫を凝らしたWeb広告の存在が目につく。このようにWebサイトがリッチ化し、ページの読み込みを遅くするような要素が多用されている一方で、それをデリバリーするネットワーク側の技術が追い付いていない。このことがWebのパフォーマンスを大きく下げる要因となっている。
また、BYOD(Bring Your Own Device:私物デバイスの業務利用)を多くの企業が取り入れることになり、ビジネスにおいてもモバイルデバイスの重要度が増しているのはご存知のとおりだ。アファガン氏は、このモバイルの普及にも言及している。
同氏によると、アジア太平洋地域におけるモバイルのトランザクションは、グローバルにおけるトランザクションの半分以上を占めるようになっており、その伸長を牽引しているという。特にモバイル先進国と呼ばれる日本において、モバイルトランザクションの膨らみは著しい。「このモバイルにおいてもWebがスローダウンしている」と同氏は指摘する。
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