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富士通研究所、「ドメイン指向コンピューティング」で画像を高速検索する技術を開発

2016年2月3日(水)IT Leaders編集部

企画書を作る際に、昔作った図表の最新のものを使おうと思ったがどこにいったかわからない…。そんな時、過去のプレゼンテーション資料が蓄積されているデータベースを検索すれば出てくるはずだが、どうしても時間がかかってしまう。富士通研究所は、このような画像検索を瞬時に行う検索技術を開発した。2016年2月2日に行われた記者説明会でその詳細が明らかにされた。

 富士通研究所が開発したのは、手元にある画像を元に、それと同じ画像や非常に近い画像をデータベースから高速検索する技術。試作サーバーでは、1万枚以上の画像が収納されたデータベースからデザインが一致する画像を検索するのに、通常1分以上かかるところを1秒程度で検索できたという。

 富士通では、特定のアプリケーション領域に絞って、その特性に合わせてソフトだけでなくハードも最適化した「ドメイン指向コンピューティング」を推進している。各ドメインに最適なライブラリー、領域の特性に適したデバイスアーキテクチャーを組み合わせてシステムを構築するというものだ。

(図1)富士通が取り組む5種類のドメイン指向コンピューティング(出所:富士通)
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 現時点で学習や推論などの「知能処理向け」、暗号化や攻撃検知などの「セキュリティ向け」、制御、圧縮などの「ネットワーク向け」、ゲノム解析などの「医療向け」、メディア、画像処理などの「メディア処理向け」という5つのドメインに最適化したシステムの開発に取組んでいる(図1)。今回発表したのはその内の、メディア処理向けドメイン指向サーバー。

 メディア処理向けドメイン指向サーバーは、大量のメディアを快適に扱えるようにするため、汎用デバイスのFPGA(Field Programmable Gate Array)とCPUを連携処理させた。富士通によると、FPGAはCPUやGPU(Graphics Processing Unit)に比べ、運算の特性に合わせて演算器や並列度を柔軟に構成できる特性がある。

(図2)メディア処理向けドメイン指向サーバーの仕組み(出所:富士通)
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 本サーバーでは、CPUで「全体制御」「結果判定」「入出力処理」を、FPGAでは部分画像検索処理にあたる「特徴量抽出」と「マッチング」の処理を行うようにした(図2)。FPGAでは、それぞれの処理について小型で高効率な演算器を設計し、特徴量抽出が32並列、マッチングが384並列という高並列・高密度に実装、CPU上のソフトと効率的に連携させることで、高速な部分画像検索を実現した。

 また、通常画像処理を行う際には、演算処理中に次に必要となるデータを読み込むことで、読み出し時間を短縮している。この場合、演算処理の結果、次に行う処理の対象が変わってしまうと読み出したデータが無駄になってしまう。今回、状況に応じて処理順序を入れ替えを行い、読み出したデータが無駄にならないように制御するスケジューリング技術を開発し、搭載した。

 これらの処理により検索スピードは汎用サーバーの50倍以上となった。本サーバーはこれらの処理を1つのサーバーで行っており、汎用サーバーを複数台使用して高速化を図った場合と比較すると、消費電力は30分の1に、装置体積も50分の1以下になったとしている。

 富士通研究所は今後、2016年度中のシステムの実用化を目指すほか、他のドメイン指向サーバーの開発にも着手する予定だ。

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