[市場動向]

トヨタや大阪ガス、ワークスアプリケーションズが受賞─「情報化月間」貢献者・企業

2016年10月4日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

毎年10月が、「情報化月間」と定められているのをご存じだろうか。国民の「情報化」への関心を高めるため、全国各地で情報化に関する展示会や講演会が開催されている。この情報化月間の取り組みの1つとして、情報化の促進に貢献した人や企業を表彰する「情報化促進貢献個人等表彰」を行っている。今年は10月3日、表彰者を招いての記念式典が行われた。

 2016年度の情報化促進貢献個人等表彰は、経済産業大臣表彰の個人表彰が2名、企業表彰が3社、総務大臣表彰の個人表彰が4名、企業表彰が1社、文部大臣表彰の個人表彰が3名、国土交通大臣表彰の企業表彰が3社という内訳だった。ここでは、企業ITにもっとも馴染みの深い経産省の各表彰者をピックアップした。

写真1:表彰を受ける藤江一正氏(右)左は井原巧経済産業大臣政務官
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 経済産業大臣表彰の個人表彰を受けた藤江一正氏は民間のNEC出身で、経産省の外郭団体である独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の理事長職を2010年から2015年末まで5年半にわたり勤め上げた人物。IPAは、国のサイバーセキュリティ施策の中核組織のひとつで、藤江氏は在職中、標的型攻撃対策体制の整備や新たな国家試験の設置などの業績を残している。

 もう一人の受賞者である竹迫良範氏は、NPO法人日本ネットワークセキュリティ協会主催のセキュリティコンテスト「SECCON」の実行委員長を長らく務めた人物で、同コンテストを国際競技大会に成長させた業績が評価された。

 企業表彰は、トヨタ自動車、大阪ガス、ワークスアプリケーションズの3社。トヨタは、本職の自動車産業で培った「トヨタ生産方式」を応用した稲作のIT管理ツール「豊作計画」の開発により、農業法人の産業組織化と生産性向上を実現したことが認められた。自動車での成功を農業に当てはめるという新しいアプローチが高く評価された。

 大阪ガスは、各方面で高い評価を得ている「分析力で業務改革を起こす組織」を15年間かけて作り上げ、その効果を業績に反映させた実績が評価された。現在のビッグデータにつながる先進的な取り組みが、経営に大きなインパクトを与えたというう。

 ワークスアプリケーションズは、パッケージベンダーとして画期的な新製品が認められての表彰だ。国産ERPベンダーであるワークスアプリケーションズが2015年に市場投入した「HUE(ヒュー)」は、応答速度の速さやコンシューマー製品なみの使い易さが特徴の次世代型ERP。世界に先駆けて人工知能をERPに採用した先進性が高く評価された。

 その他の受賞者は下図を参照。

表1:情報化月間2016 情報化促進貢献個人等表彰 表彰者一覧
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