デジタルビジネス時代の到来を目前に、企業は“モノを売る”ことから“サービスを売る”形態へと、ビジネスの軸足を大きく転換することが求められるようになる。そうした事業モデルの変革を成し遂げていくためには、これまでIT部門がITサービスマネジメントの推進によって培ってきた数々の知見を、顧客サービスの領域にも適用させた「カスタマーサービスマネジメント」の実践が不可欠だ。
IT部門の主導でこそ成し遂げられる
カスタマーサービスマネジメント
サービス指向のデジタルイノベーションに不可欠なものとして、久納氏が強調するのが「カスタマーサービスマネジメント」の実現だ。
「企業は顧客と日々、様々なやり取りを行っています。その中では、営業部門や保守サポート部門、製造部門やマーケティング部門、さらには販売代理店といった外部のパートナー企業など、多岐にわたる部門や企業が直接/間接的に顧客サービスに関わっています。IoTによって多種多様なデータが収集、分析されるような時代においては、各部門やパートナーによって提供される顧客サービスが個々に分断されることなく、企業として共有、統合できれば、より質の高いサービスが提供できるようになります。すなわち、統合化されたカスタマーサービスマネジメントの実現です」(久納氏)。
そして、このカスタマーサービスマネジメントは、IT部門の主導によってこそ実現できる。その理由は、IT部門がこれまで培ってきた「ITサービスマネジメント」の知見、そして今後取り組むべき「エンタープライズサービスマネジメント」の実践によって得られるノウハウが、カスタマーサービスマネジメント推進の基盤となるからだ。
一般にIT部門全体の要員と予算の約70~80%は日々の保守・運用に割かれていると言われる。対して、先進的なIT部門は、資産管理、プロジェクトマネジメント、変更管理といった取り組みのベストプラクティスを体系化したITIL(Information Technology Infrastructure Library)を適用し、業務改善を推し進めることで、イノベーションを創出するIT部門への転換を成し遂げてきた。そうしたIT部門はそれらの業務を“サービス”として捉え、自身の役割を“ITサービスのプロバイダ”として位置付けている。
このようなサービスマネジメントを迅速かつ容易に可能とする仕組みをクラウドベースのサービスで提供しているのが、ServiceNowだ。その最大の特徴は、インシデント管理、問題管理、変更管理、構成管理、サービスレベル管理など、サービスマネジメントに不可欠なアプリケーションが、クラウドサービス「ServiceNow」として、単一のプラットフォーム上に統合、1つのワークフローとして連携可能な点にある。「ServiceNowの根底にある設計思想は、“シングル・システム・オブ・レコード”です。これにより、これまで社内に分散されていた多種多様な情報を一元的に管理するとともに、包括的なサービスマネジメント機能を提供することが可能なのです」と久納氏は説明する。
ITサービスマネジメントの領域で存在感を示してきたServiceNowだが、近年では、ITの領域以外での適用事例も拡大させており、さらに飛躍的な成長を遂げている。
「企業は、営業、マーケティング、人事、経理、法務など、様々な部門の業務によって成り立っています。そして、それらの業務を“サービス”として捉えたならば、ITサービスマネジメントの実践で培われた知見やノウハウを企業活動全体に適用することで、業務の生産性や品質の向上が可能となります。そうした“エンタープライズサービスマネジメント”を実現する手段として、ServiceNowは多くの企業で導入が進んでいます」(久納氏)。
統合化されたサービスプラットフォームが
カスタマーサービスマネジメントでも威力を発揮
ServiceNowのプラットフォームを通じて、社内の関連部署とのすべてのやり取りはワークフローによって統一化されるだけでなく、関連情報も一元的に記録されるようになる。このような仕組みは社内業務での活用にとどまらず、カスタマーサービスにも応用することが可能だ。
「ServiceNowは顧客向けサービスとエンジニアリング、オペレーションやその他の部署を共通のプラットフォームで連携させることができます。そのようなカスタマーサービスマネジメントを実現できる体制を整備することで、問い合わせに対する回答やクレーム処理に対するスピード、そして正確性を劇的に向上させ、顧客に常に最新と感じさせる価値を提供できるサービスの品質向上が図れるようになります。ひいては、継続的な改善も行えるようになり、さらに先進的なサービスの開発にも繋げていくことが可能となるのです」と久納氏は強調する。
また、デジタルイノベーションの取り組みにおいては、自社だけでできることには限りがあり、独自の強みを持った社外のプレーヤーとの協業が活発になってくる。そうした企業間コラボレーションを進めるにあたっては、確実なガバナンスやコンプライアンス対応を実施し、「自社の信頼性」を証明することが不可欠だ。ここで、社内業務の進行状況を可視化し、一元的に記録可能なServiceNowであれば、リアルタイムでSOX法に基づいた承認プロセスが進行しているのかといったことを、きちんと把握、証明できる。つまり、ServiceNowは“コラボレーションのOS”とも位置付けることができるのだ。
「ITILという実践から導かれた理論と、それを適用できる人員が育成されつつあることに加え、サービスマネジメントを実現するツールとして、ServiceNowがあります。まずはServiceNowを活用することで、エンタープライズサービスマネジメントを推進すると共に、デジタルビジネス時代の到来を見据え、カスタマーサービスマネジメントにもいち早く足を踏み出してほしいと考えています」と久納氏は力強く訴えた。
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