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[技術解説]

欧米で広がる“eディスカバリー”に備える~知っておきたい「Digital Guardian」の実像

2016年12月8日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

サイバーセキュリティは、どんな企業にとっても悩ましい課題の1つ。定番のウィルス対策ツールや次世代ファイアウィール、SIEM製品などを採用すれば済むわけでなく、最新の脅威情報のチェックはもちろん、ソリューションにも目を配る必要がある。そこで今回は米国など海外では有力製品の1つだが、日本ではあまり知られていない「Digital Guardian」を紹介する。特に海外で事業展開する企業なら知っておいて損はないと思えるツールである。

 毎日のように新たな脅威が出現する情報セキュリティ対策は難題だ。マルウェアや標的型メールなど社外からの攻撃だけではなく、故意か不注意かは別にして社内からの漏洩や不正も実際には多い。しかもサーバーやPC、モバイルデバイス、インテリジェントな機器、さらにはクラウド上のデータなど、守るべき対象は増えている。親しい人や取引先を偽装するような、人の心理を突いた攻撃も巧妙さを増す一方だ。一流のマジシャンのトリックを見抜けないように、どんなに防衛策を固めても守り切るのは不可能に思えるが、だからといって対策をとらないわけにはいかない。

 一方、ITの利用を制限したり禁止したりすれば危険を減らせるとばかり、特定サイトへのアクセスやITデバイスの利用を制限している企業も多い。しかし制限しすぎるとビジネスや業務遂行の効率が落ちるという本末転倒を招く。法的規制が色濃くある業種ならまだしもIT化の流れに逆行する側面もあるので、利用制限は好ましいとは言いにくい手段だろう。となれば様々なセキュリティ・ソリューションの中から自社に合うものを探し、上手く組み合わせて利用するしかない。

 そんなわけでIT Leadersは定番のソリューション以外にも、ちょっとユニークなソリューションを紹介してきた。データを暗号化・分割して管理し、全部が揃わなければ復号化できないTSCIの「Paseri」(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/12664)や、安全性が確認されていないプログラムおよびファイルを分離空間で実行する「Bromium」(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/13794)、中堅・中小企業にとってはこのアプローチがベストとさえ思えるマネージドサービスの「dDREAMS」(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/13523)などだ。

 そんな製品の1つとして、ここでは「Digital Guardian」にスポットを当てる。実は以前にも取り上げたことがあるが(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/13048)、日本における認知度は依然低い。にもかかわらず取り上げるのは、米ガートナーの「Magic Quadrant for Enterprise Data Loss Prevention(情報漏洩防止)」の2016年版において、リーダーポジションにランクされたことがあるからだ(図1)。

図1 米ガートナーの「Magic Quadrant for Enterprise Data Loss Prevention」(出典:がートナー)
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 というのも、複数のユーザー企業の評価を取り入れるMagic Quadrant(MQ)では、相当数の顧客ベースがないと候補にさえならない。また米Digital GuardianのDavid Mckeough氏(グローバルフィールドオペレーションズ担当副社長)は、「米国では誰もが知る30万人の社員を擁する大手製造業が顧客」という。同氏は社名を明らかにしないが、“30万人の社員”、“誰もが知る製造業”といえば、おそらく米General Electricだろう。つまり米国では有力なセキュリティ製品の1つにも関わらず、日本ではそうではない。この理由は何なのかを考えるのが、改めて取り上げる大きな理由である。

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