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NECが画像認識ソフトを強化、GPU/FPGAで深層学習/顔認識の性能向上

2017年7月25日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2017年7月25日、ディープラーニング(深層学習)を使った画像認識ソフト2製品を強化し、GPU(グラフィックス処理ユニット)やFPGA(Field Programmable Gate Array)に対応させたと発表した。2製品は、画像解析ソフト「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」と、顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」である。2017年8月1日から順次出荷する。

 「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」は、深層学習をデータ解析に応用した業務アプリケーションソフトである。応用分野の1つとして、映像監視/画像分類に使える「画像解析版」を提供している。カメラで撮影した画像を学習させることによって、検出したいシーンを高精度で検知できるので、カメラ画像を監視する負担が減る。店舗内監視や工場の検品など、画像分析を活用する各種業務に利用できる(写真1)。

写真1●顔認証アルゴリズムをFPGAに実装し、カメラ映像向けのリアルタイム顔写真1:顔認証アルゴリズムをFPGAに実装し、カメラ映像向けのリアルタイム顔認証ソフト「NeoFace Watch」の処理を20倍に高速化した
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 今回、RAPID機械学習の画像解析版を新版「V2.1」にバージョンアップし、これまで提供していなかったGPU対応版をラインアップに追加した(図1)。処理をGPUにオフロードすることによって、これまでのCPU処理と比べて性能が向上する。具体的には、ディープラーニングの学習にかかる時間が10分の1に短縮できるとともに、実運用時の単位時間あたりの処理数も約10倍に高速化できるとしている。

図1●画像解析ソフト「RAPID機械学習(画像解析)」をGPUに対応させた(出所:NEC)図1:画像解析ソフト「RAPID機械学習(画像解析)」をGPUに対応させた(出典:NEC)
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 GPUに対応した「RAPID機械学習(画像解析 V2.1 GPU版)」と、GPUに対応していない「RAPID機械学習(画像解析 V2.1 CPU版)」を併売する。価格(税別)は、GPU版が2250万円からで、CPU版が375万円から。いずれも8月1日から出荷する。

顔認識アルゴリズムをFPGAに実装、処理性能を20倍に

 顔検出/顔照合エンジン「NeoFace」は、カメラで撮影した映像や画像から顔を検出し、さらに登録済みの人物かどうかを判別する、顔検出/顔照合エンジンである。同エンジンを組み込んだアプリケーションの1つとして、カメラ映像向けのリアルタイム顔認証ソフト「NeoFace Watch」も提供している。セキュリティ対策として人が多く集まる場所での監視や迷子の捜索などに活用できるほか、店舗におけるマーケティング分析など、幅広い用途に利用できる。

 今回、NeoFaceをFPGAに対応させた(図2)。顔検出アルゴリズムをFPGAに搭載したことで、CPUで処理した場合と比べ、サーバー1台で処理可能なカメラ台数比で最大20倍に高速化した。GPUを使った場合もFPGAの2分の1程度の性能が出せるが、FPGAの消費電力はGPUと比べて約10分の1で済む。さらに、コストもGPUよりも安くつく。

図2●顔検出/顔照合エンジンのNeoFaceをFPGAに対応させた(出所:NEC)図2:顔検出/顔照合エンジンのNeoFaceをFPGAに対応させた(出典:NEC)
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 製品の提供形態は、PCサーバー「Express5800」のPCI Expressバスに、顔検出アルゴリズムを実装したFPGAのアクセラレータカードを搭載し、これにソフトウェアのNeoFace Watchを組み合わせたアプライアンス機器「NeoFace Accelerator Platform」として提供する。出荷開始時期は2017年下期を予定する。価格は未定だが、1台あたり500万~600万円程度を予定している。

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