日立製作所、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行の3組織は2017年9月20日、2017年10月からSCM(サプライチェーン管理)におけるブロックチェーン技術の活用促進に向けて共同実証を開始すると発表した。将来的には、サプライチェーンにおける資金決済の効率化や資金繰りの効率性の改善に貢献する金融サービスの実現も検討していく。
日立製作所、みずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行の3組織は、2017年10月からSCMにおけるブロックチェーン技術の活用促進に向けて共同実証を開始する。
共同実証を行う背景について、複数の国にまたがる資材の海外調達業務では、各拠点・各業務での受発注や、納期に関する情報(台帳)の管理が複雑であることを挙げる。「発注登録や、注文書と請求書の照合・相互承認、総合的なコスト管理に時間がかかっている」という。
調達業務にブロックチェーン技術を活用することにより、各拠点・業務間で受注・入金データを共有できる。これにより、サプライチェーン全体の状況を把握できるようになる。さらに、部品の供給元などに関する情報を記録することによって、部品の管理状況を後からトレース(追跡)できる。
今回の実証実験では、日立グループのグローバルなサプライチェーンの一部を対象に、ブロックチェーン技術の適用とその効果の検証を共同で実施する。
具体的には、2017年10月から、グローバルで資材調達が必要な装置や部品などのサプライチェーンを対象に、ブロックチェーン技術を用いて統合的に管理するアプリケーションのプロトタイプの開発に着手する。
アプリケーションは、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」上に構築し、日立グループの複数のアジア拠点における受注・入金データや部品に関する情報などの統合管理効果を評価・検証していく。