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[市場動向]

日立など13社、デジタル資産取引でのマネーロンダリング対策の共同実証、システム/人材/情報を共有

2025年2月17日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所やデジタル資産取引関連事業者など13社は2025年2月17日、デジタル資産(暗号資産、ステーブルコイン、NFTなど)の取引におけるマネーロンダリング対策の実証実験を2025年2月~4月に実施すると発表した。事業者間でシステム・人材・情報を共有することで、デジタル資産市場におけるマネーロンダリング対策の効率化と高度化を目指す。

 日立製作所やデジタル資産取引関連事業者など13社は、デジタル資産(暗号資産、ステーブルコイン、NFTなど)の取引におけるマネーロンダリング対策の実証実験を2025年2月~4月に実施する。事業者間でシステム・人材・情報を共有することで、デジタル資産市場におけるマネーロンダリング対策の効率化と高度化を目指す(表1)。

表1:実証実験における各事業者の役割(出典:日立製作所、NTT Digital、オプテージ、Crypto Garage、JPYC、Chainalysis Japan、Digital Platformer、NEC、野村ホールディングス、ビットバンク、finoject、北國銀行、Laser Digital Japan)
事業者名 主な役割

日立製作所

実証実験の推進、実証対象システム・機能の提供、各社からのフィードバックの収集

NTT Digital
オプテージ
Crypto Garage
JPYC
Digital Platformer
野村ホールディングス
ビットバンク
北國銀行
Laser Digital Japan

システム・機能の試行と有効性の評価

Chainalysis Japan

独自のブロックチェーンデータ基盤と分析データの提供

NEC

監視の高度化に向けた技術の提供

finoject

実証実験の設計、評価結果の分析

 日立らは取り組みの背景として、ブロックチェーンを用いた取引には匿名性の特性から、デジタル資産市場でマネーロンダリングや犯罪のリスクがあること、健全な金融取引の実現に向けて国際的にマネーロンダリング対策の規制強化が進んでいることを挙げている。

 「しかし、暗号資産交換業などのデジタル資産取引関連事業者においては、各社が個別で規制対応を行っている。このため、コストや専門人材不足などの影響で、デジタル資産市場におけるマネーロンダリング対策が進みにくい」という。

 こうした経緯から実証実験では、各事業者が連携し、現状は各社が個別に行っているマネーロンダリング対策を集約・共同化する。マネーロンダリング対策のうち、犯罪資金の流入や犯罪者への資金取引への有無などの観点で重要性が高い監視業務を対象に、システム、人材、情報を共同化することの有効性を検証する。

 仕組みとして、これまでデジタル資産取引関連事業者が個別に収集・蓄積・分析していたデジタル資産に関するマネーロンダリング情報を、日立が提供する専用システム上で共有・分析し、各社にフィードバックする。各社はこれをブロックチェーン取引に活用し、マネーロンダリング対策の精度向上やコスト削減の効果を検証する。また、自動化によって監視業務を省力化する。

 今後、日立らは、実証実験の成果を基に、マネーロンダリング対策に携わるデジタル資産取引事業者との連携体制を広げる。また、規制対応のための情報共有やマネーロンダリング対策の精度向上のための各種データの活用などに取り組むとしている。

関連キーワード

日立製作所 / 暗号資産 / FinTech / 協業・提携 / 実証実験 / NFT / 金融 / Web3 / 不正防止 / NEC / NTT Digital / 北國銀行 / 野村ホールディングス / オプテージ / ビットバンク

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