「製品ロードマップは簡単だ。ユーザー企業の需要に合わせて決めているだけだ。顧客が第一で、顧客の投資の保護が大切だ。買収した2社の製品を含め、3社それぞれの技術に投資し続ける」――。エクストリームネットワークスは2017年11月16日、都内で説明会を開き、大手ネットワーク機器ベンダーの買収を経た現在の新生エクストリームネットワークスの製品ロードマップについて説明した。
米エクストリームネットワークス(Extreme Networks)は昨今、米アバイア(Avaya)のネットワーク事業と、米ブロケード(Brocade Communications Systems)のネットワーク事業を買収している。これにより、企業情報システム向けのネットワーク機器で、米シスコシステムズ(Cisco Systems)と米ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard Enterprise)に次ぐ第3位のシェアになった。
拡大画像表示
こうして生まれた新生エクストリームの製品ロードマップについて同社は、これまでの3社の技術を残すと明言した。3社それぞれのユーザーの需要に応え、サポートし続けるという。例えば、共通ハードウェアと共通の基盤OS(Linux)を使いつつ、3社のソフトウェアのうち好きなものをダウンロードして使えるようにする。
3社それぞれのCLI(コマンドラインインタフェース)の知識など、習得したネットワーク管理スキルが無駄にならないようにする。さらに、運用管理ソフトを3社の垣根を越えて共通して使えるようにする。例えば、アバイアのネットワーク管理ソフトを使ってブロケードの機器を管理するといったことができるようにする。
拡大画像表示
ポイントはソフトウェアに注力することだと同社は言う。ハードウェアについては、例えばオフィスなどのキャンパスネットワーク向けは、ODMベンダーが開発した汎用ハードウェアを使い、汎用のLinux OSを動作させる。この上で、各種のソフトウェアを動作させてユーザーが求める機能を備えたネットワーク機器に仕上げる。
ソフトウェアに注力する背景について同社は、ネットワークにつながるデバイスの増加といった環境の変化によって、ネットワークの管理が複雑で難しくなっていくことを挙げている。「一方で、ネットワーク管理者のスキルが追い付いていかないので、新しい製品が必要になってくる。ネットワークを可視化して理解するために、ソフトウェアが重要になる」という。
日本法人のエクストリームネットワークスでは、2017年10月28日付けで、大野欽司氏が執行役員社長に就任した。大野氏は「大企業に牛耳られているネットワーク業界に一石を投じる」と意気込みを語った。