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進化する超高速開発ツールWagbyがAI時代に向けて実現するエンタープライズシステム変革とは
2017年12月27日(水)
「プログラムを書かないシステム構築」を実現する超高速開発分野における国産の代表的製品として知られるWagby(ワグビィ)。その4年ぶりのメジャーバージョンアップとなるWagby R8の発表とあわせ、「AI時代を支える、新しい超高速開発がここにある」をテーマに掲げた「Wagby Developer Day 2017」が2017年11月28日に開催された。AIやCOBOL との連携、さらには海外展開まで、Wagby を取り巻く最新状況と今後のロードマップを伝えた基調講演「Wagbyの新しい展開と、Wagby R8 について」の概要をレポートする。
現在の企業が直面する「バイモーダルIT」への課題
超高速開発ツールWagby(ワグビィ)は常にエンタープライズアプリケーションを対象としてきたが、AI時代を迎えた中でその立ち位置はどうなるのか――。「Wagbyの新しい展開と、Wagby R8 について」と題する基調講演に登壇したジャスミンソフト代表取締役の贄良則氏は、従来の「モード1」と呼ばれるコスト削減のためのITであるSoR(System of Record)に加え、「モード2」と呼ばれる売上アップのためのITであるSoE(System of Engagement)の重要性が高まっている状況を踏まえ、「現在の企業はこの2つのITの両方に投資しなければならない『バイモーダルIT』の課題に直面しています」と切り出した。
現実問題として、SoEを強化するためにAIやIoTといった新しいテクノロジーへの投資が求められているにしても、IT予算そのものが増えるわけではない。特に歴史のある企業ほどレガシーなエンタープライズシステムを保有しており、IT予算の大半をその維持管理に割かれているのが実情だ。これではとてもモード2まで投資は回らない。
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そこで役立つのがWagbyなのだ。「Wagbyは初期開発のコスト削減だけでなく、その後の保守にも効果を発揮します。その結果として削減されたモード1の予算をモード2に振り向けることが可能となります」と贄氏は提案した。実際、Wagbyは最初のバージョンをリリースしてから11年の時を経て進化を続けており、わざわざ作り込みを行わずとも設定パラメーターの組み合わせだけで実現できることが増えている。
推論型AIそしてレガシーなCOBOLとも連携
「AIについても、さまざまな製品との組み合わせで実現していきます」という贄氏の宣言を受け、登壇したアシスト 東日本技術本部 情報基盤技術統括部 プログレス推進部の小林誠氏が紹介したのが、Wagbyとの連携を打ち出した推論型AIの「Progress Corticon」(プログレス コーティコン)である。昨今、AIといえば機械学習やディープラーニングなどの手法をまず思い浮かべるが、推論型AIはそれとは異なりあらかじめ定義されたIF~THEN/ELSE型のルールの中よりコンピュータがひとと同様に「推論」し、実行可能なルールを即時実行させることで、ビジネスのさまざまなディシジョン(意思決定)を自動化する。
小林氏によると、Progress Corticonはこのルールをひとつひとつコードで記述するのではなく、モデリングツールを使って2次元のディシジョンフローチャートとテーブル(表)で表現するのが最大の特徴で、この表がそのまま動くプログラムとなる。これにより、たとえばExcelのマクロなどで属人化してしまった業務も簡単にモデル化し、エンタープライズシステムに巻き取って動かすことが可能となる。「Progress Corticonは新規開発で40%、改修で85%の工数削減を実現し、さらにWagbyと組み合わせることで内製化率を100%に高めることができると考えています」と小林氏は強調した。
続いてWagbyとCOBOLの連携を強く訴求したのが、イタリアに本社を置くVeryant社 V.P.ビジネスディベロップメントのFabio Scalzotto氏である。同社が提供する「isCOBOL Evolve」はCOBOLとJava間のソースコ-ドの双方向のコンパイルを実現したツールで、「COBOLで記述されたレガシーなエンタープライズシステムの資産を少ない工数でJavaに移行し、そのまま残すことができます。もちろんこのJavaのクラスファイルはWagbyから簡単に呼び出すことができます」とScalzotto氏は語った。
同社はヨーロッパのみならずワールドワイドにこのビジネスを拡大しており、すでに全世界で約7万6,000サイトのアクティブインストレーション、150万人を超えるユーザーを獲得しているという。
そして現在もisCOBOL Evolveはエンハンスを続けており、「私たちの技術は単にレガシー資産を延命させるだけでなく、新しい機能追加によるエンタープライズシステムとしての付加価値向上に貢献します」とScalzotto氏は強調した。実際、同社はisCOBOL Evolveについて毎年2回以上のニューリリースの発表を行っており、マルチプラットフォーム化や多様なデータベースモデルのサポート、Webの有効化などを行ってきた。無料のトライアルバージョンも提供しており、Wagbyとの連携を足がかりに日本市場にもさらなる攻勢をかけていく意気込みだ。
WagbyはSoRとSoEをつなぐ架け橋となる
ふたたび壇上に上がった贄氏は、4年ぶりのメジャーバージョンアップとなる「Wagby R8が目指すもの」に言及した。贄氏によると、Wagby R8が新たに取り入れたのはマイクロサービスの考え方である。システムを複数のサービスの集合体として捉え、各サービスを相互にシンプルな通信で連携させるものだ。具体的にはREST APIやメッセージを用いた業務ごとの疎結合により大規模化に対応し、従来のエンタープライズシステムに見られた複雑性を回避することが可能となる。
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贄氏はこのWagby R8方式が提供するメリットとして、「モデルグループ(業務群)単位でのビルドの入れ替えが容易になる」「負荷の高い機能の多重起動が可能となる」「SoEアプリケーションとの相性が高まる」といった点を挙げ、「WagbyはSoRとSoEをつなぐ架け橋となります」と訴求した。
2018年1月にリリース予定のR8.0で、まずマルチセッションやドラッグ&ドロップによる画面レイアウト設計に対応。さらに同年7月リリース予定のR8.1で外部クラウドサービスとの連携強化を図るほか、非同期処理や階層化グループにも対応。そして2019年1月にリリース予定のR8.2において、いよいよマイクロサービス対応を強化するというのが、贄氏が示した基本的なロードマップである。
こうしたWagby R8の基本戦略を受けて主要パートナーが次々に登壇。各社それぞれのアプローチを発表した。
ソフトウェア・パートナー 営業企画部のマネージャーを務める滝澤好道氏は、現在の超高速開発ツールの市場は成長期のピークにあり、今後の成熟期から再成長期を見据えた戦略が必須であるとし、「Wagbyは超高速開発ツールという今の位置づけを極めていくだけでよいのでしょうか」と問題を提起した。そうした中でソフトウェア・パートナーの戦略として、「Wagbyの付加価値を高めることで市場拡大を狙うと共に、やりたいことが素早く実現できるシステム、すなわち『とことん作り込まないシステム開発』『企業活動を支えるシステム』の実現を目指します」と滝澤氏は語った。
一方、レガシーマイグレーションをWagby販売戦略の中心に据えて臨んでいるのがパルシスだ。同社 第四技術部 Wagby営業担当の石井裕氏は、現行システム解析から始まりWagby設計にいたるマイグレーションのアプローチを示すと共に、その後に見えてくる改善点や機能追加へも柔軟に対応していくことを表明。「進化するシステムで、お客様により大きな利益をもたらします」と語った。
アライズイノベーションが推進するのはWagbyの海外展開だ。同社 取締役COOの清水真氏は、「私たちは基本戦略としてWagbyを中心としたエコシステムの構築を推進しています。その一環として2017年10月、台湾の大手SIベンダーであるSYSCOM社との間でWagby代理店契約を締結しました」と語った。SYSCOM社が台湾のほか中国、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカ、ブラジルに展開するグループ企業やパートナーとの相互連携を深めることで、Wagbyのグローバル化に大きな弾みがつきそうだ。
贄氏は「SoRの保守に多大な予算を費やしている問題を解決し、あらゆる企業にとって強化が急務となっているAIやIoTを中心としたSoEの分野により多くの予算を回せるようにしなければなりません。ジャスミンソフトはWagbyを通じて大規模エンタープライズシステムの問題に真正面から取り組んでいきます」と重ねて表明。この取り組みを支持していただけるユーザー企業や本気で応援してくれるパートナーと一緒に、Wagbyの世界展開にも邁進していくという意気込みを示した。
●お問い合わせ先
株式会社ジャスミンソフト
http://www.jasminesoft.co.jp/
Wagbyについて
http://wagby.com/