デルとEMCジャパンは2018年6月29日、標的型攻撃対策ソフト群の新版「RSA NetWitness Platform 11.1」(旧称はRSA NetWitness Suite)を発表、同日提供を開始した。新版では、インシデント管理を自動化してSOCの運用効率を高めるオーケストレーションソフト「RSA NetWitness Orchestrator」を追加した。価格(税別)は、RSA NetWitness Orchestratorを4ユーザーで使う場合に、1年間の保守料込みで2352万672円。
RSA NetWitness Platformは、サイバー攻撃や標的型攻撃に対策するためのソフトウェア製品群である。エンドポイントでのマルウェア感染を調べるソフトや、ネットワークパケットを分析して標的型攻撃を検知するソフト、インシデント対応プロセスの標準化などによってSOC(セキュリティオペレーションセンター)の運用を支援するソフトなどで構成する。
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今回の新版では、SOCの運用を効率化する新ソフトとしてRSA NetWitness Orchestratorを追加した。各種のセキュリティ機器が生成するアラートを連携させ、定型的な対応手順に沿って、インシデントケース管理(インシデントの対応・管理・報告)を自動化する。インシデント調査の自動化によって運用負荷を減らす。
GUIで表現したプレイブック(ベストプラクティスに基付いた手順書)に沿って、証拠の保全、外部の脅威情報との照合、IPやドメインの照合などを自動的に行う。独立して散在する関連情報(各セキュリティ機器で得られるシステム情報、類似のインシデント、ログやパケット、メモリーなど)やダッシュボード、レポートを一元化する。
今回の新版ではさらに、無料で利用できる2つのコンポーネントを追加した。
「RSA NetWitness UEBA Essentials」は、マルウェアの侵食活動(ラテラルムーブメント)や不正なログインを検出するためのテンプレート集である。ベストプラクティスに基づいており、カスタマイズやチューニングが不要だとしている。ユーザーとそれ以外のデバイスなど全体のふるまいの違いに着目してルールベースで検知し、相関分析を行う。
「RSA NetWitness Endpoint Insights」は、エンドポイント用のエージェントソフトである。イベントログからプロセスの状況やシステムの情報、エンドユーザーのふるまい、さらにWindowsのイベントログを収集する。エンドポイント向けのマルウェア対策ソフト「RSA NetWitness Endpoint」(別売)を導入していない環境でも、マルウェア感染の有無や、マルウェアの活動状態が分かる。
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