日立ソリューションズは2018年7月18日、建設関係者間で「3D建物モデル」(BIMデータ)を共有し、BIMの専用ソフトを使うことなく3Dビューアで参照できるソフト「活文 BIMデータ共有・活用ソリューション」を発表した。2018年7月31日から販売する。価格は個別見積もり。
総合建設業者(ゼネコン)の設計者や、建築工事や電気設備工事、空調・衛生工事などの下請建設業者(サブコン)の設計者が、それぞれ個別に作成したBIMデータを、建設関係者と迅速に共有するためのソフトである。
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建築プロジェクトの関係者は、最新のBIMデータを3Dビューで共有し、問題点を共通認識しながら、プロジェクトを推進できる。早期の合意形成や課題解決によって、建築プロジェクト全体の生産性が上がる。
BIMはBuilding Information Modelingの略で、設計や施工を進めるために必要な、構造物の情報である。コンピュータ上に構成した構造物の三次元の形状情報に加えて、材料・部材の仕様、性能、仕上げなどの属性情報をあわせもっている。
BIMデータの形状の整合性や干渉チェックの結果や、BIMデータの課題を、BIMデータにひも付けて共有できる。これにより、課題や修正の意図が伝わりやすくなる。ゼネコンやサブコンの各設計者は、フィードバックされた情報を基に、BIMデータを迅速に修正して、最新のBIMデータに反映できる。更新後のBIMデータは、自動でバージョン管理されるので、誰がいつ設計を変更したのかを後から確認できる。
BIMデータと関連資料を共有するためのベースソフトとして、文書管理サーバーソフト「活文 Managed Information Exchange」(活文MIE)を利用する。
各設計者は、作成したギガバイト級の大容量のBIMデータを、複数のHTTPS通信を同時に利用する多重化通信技術によって、共有サーバーに高速で転送する。プロジェクトの関係者は、共有したBIMデータを、ラティス・テクノロジーが無料で配布している3Dフォーマット技術「XVL」のビューアで参照する。3Dで参照できるデータは、IFC(Industry Foundation Classes)形式のものになる。