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日立キャピタル、AIで小口融資の審査効率を向上

2018年9月28日(金)IT Leaders編集部

日立キャピタル(現三菱HCキャピタル)と日立製作所は2018年9月27日、日立キャピタルの子会社でベンダーソリューション事業を営む日立キャピタルNBLの中小企業向け小口融資審査業務の効率向上に向け、日立のAI「Hitachi AI Technology/H(AT/H)」を用いた実証実験を実施し、自動審査可能な件数を約9割まで向上できる効果を確認したと発表した。

 日立キャピタルグループは、ベンダーソリューション事業(提携関係にある販売店の販売促進などのニーズに対し、リースやクレジットなど幅広いソリューションを提供するもの)の競争力を強化するため、同事業の日立キャピタルNBLへの集約を図っている。さらに、IT投資によるフロント機能の強化や、業務の簡素化および標準化などの施策と、これらを通じた働き方改革を推進している。

 この一環として今回、審査回答の迅速化など、ベンダーへのサービス品質の向上と業務効率化をめざし、「Hitachi AI Technology/H(AT/H)」による小口融資審査の自動化率向上に向けた実証実験を行った。

 AT/Hは、ビジネスに関連するデータを網羅的に分析し、売上やコスト、業務の達成度など、組織が求めるKPIとの相関性が強い要素と、KPIを改善する施策の仮説を効率的に導き出すAIである。大量かつ複雑なデータ分析を得意としている。

 2018年5月から8月までの実証実験では、過去数年分の審査情報や関連する信用情報などのデータと回収結果との相関関係をAT/Hにより分析することで、融資可能と判断できる条件の組み合わせを導き出し、与信の自動判断が可能な範囲を拡大するための独自のスコアリングモデル式を構築した。このスコアリングモデル式により融資可否のしきい値を算出することで、自動審査可能な案件数を大幅に増やすことが可能だ。

 これらを通じて、これまで審査の自動化が難しく人手により個別判断をしていた案件の自動化を可能にし、全体案件数のうち自動審査可能な割合をこれまでの約7割から約9割まで向上できることを確認したとしている。

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