ネットワンパートナーズは2018年11月6日、顔認証ソフトウェア「SAFR」(開発元:米RealNetworks)を発表、同日販売を開始した。アプリケーションと連携させることによって、入退室管理やマーケティング、防犯などに利用できる。ソフトの特徴として、認証精度の高さや、APIによるシステム連携の容易さをアピールする。販売目標は初年度50社。
「SAFR」は、米RealNetworksが開発した顔認証ソフトウェアアである。カメラ映像から検知した顔画像を切り出してサーバーに送信する顔検知ソフト(Linux、Windows、Mac、iOS)と、顔検知ソフトから送られてきた顔画像が誰なのかを判定するサーバーソフト(Windows、Mac、クラウド)で構成する。顔検知ソフトからサーバーへの通信や、サーバーから外部システムへの連携はREST APIで行う。
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ユースケースとして、大きく6つの分野を想定している。(1)ヘルスケア(調剤薬局の入退室管理など)、(2)小売店舗(顧客を判別したサービスなど)、(3)工場(動線を分析して生産性の改善プランを提供など)、(4)オフィス(入退室管理など)、(5)幼稚園・学校(施設への立ち入り時に園児・生徒や保護者を認証など)、(6)民泊・ホテル(顔認証で鍵を不要になど)、である。
ライセンスは、月額制のサブスクリプション型のほか、売り切り型でも提供する。サブスクリプション型の場合も、従量制ではなくカメラ単位で月額固定で課金するため、安価に利用できるとしている。価格(税別)はオープンだが、クラウド型の場合、カメラあたり定価で月額2万3600円である。
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SAFRの特徴の1つとして、顔認証の精度の高さをうたっている。米RealNetworksは、コンシューマ向けサービスで動画を友人や家族と共有できる「RealTimes」を介して、豊富な顔データを持っている。これを利用して、精度の高い顔認証エンジンを開発したという。
光の状態が悪い顔画像や、顔の一部が隠れている顔画像、真正面を向いていない顔画像など、実際に現場で顔認証を実施する環境においても、高精度で認証できるとしている。目、鼻、口のうち2つが写っていれば認証可能で、サングラス姿でも認証できるとしている。
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マサチューセッツ大学の公開顔画像セット「LFW」を用いた性能評価では、認証精度99.8%を達成した。また、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した「Face Recognition Vendor Test(FRVT) 1.1」のFaces in the Wildテスト(実環境下における顔画像データセット)においては、参加企業の全82個のアルゴリズム中で7位の成績だった(1~6位はロシアと中国の企業)。
認証時の顔画像のピクセル数は、80×80ドット程度あれば判定ができる。他人になりすますために写真をカメラに写しても認証できないように、笑顔を認識して認証する機能なども備える。QRコードと顔を一緒にカメラに写して2つの要素で認証するといったこともできる。性能面では、何百万件の顔データが登録してあっても、1秒以内で判定するとしている。