NTTコミュニケーションズ、シャープ、NTTドコモ、東武鉄道の4社が5G(第5世代移動通信方式)を用いて、時速約90kmで走行中の列車に8K解像度(7680×4320ドット)の映像を伝送する実証試験を実施し成功した。2018年12月27日に、8K映像伝送システムを提供したシャープが発表した。
シャープ、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTドコモ、東武鉄道は今回、高速で走行中の列車に対して、5G通信で8K解像度の映像を伝送する実験を実施し、これに成功した(図1)。実験は、2018年12月20日と21日の2日間、埼玉県春日部市で、東武鉄道が運行する東武スカイツリーラインの車両を使って実施した。
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実験では線路脇に、2局の基地局を設置(写真1)。時速約90kmで走行中の列車に向けて、あらかじめ収録した8K解像度の映像を、周波数帯28GHzの5G無線で送信した。車内に設置した液晶テレビ「8T-C60AW1」(シャープ製)にストリーミング伝送した。
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実験は成功し、高速に移動する環境においても大容量の8K映像を5G通信でストリーミング伝送できることを実証した。人物や景色の高精細な映像を高速鉄道の乗客に向けてタイムリーに配信する、といった使い方が期待できる。
この実証試験は、NTT Comが実施主体として総務省より受託した、平成30年度5G総合実証試験「高速移動時において平均1Gbpsを超える高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討の請負」の一部である。シャープは、5Gを活用した8K映像伝送の実用化に向けて、今後もさまざまな実証試験を推進していくとしている。今回実施した実証実験の概要は、表1のとおりだ。
実施日 | 2018年12月20日(木)および21日(金) | |
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場所 | 埼玉県春日部市 東武スカイツリーライン 春日部駅付近 | |
使用周波数帯 | 28GHz帯 | |
配信プロトコル | HLS(HTTP Live Streaming) | |
各社の役割 | シャープ | 8K映像伝送システムの提供 (8K対応液晶テレビ「8T-C60AW1」、8Kデコーダー、8K映像コンテンツなど) |
NTTコミュニケーションズ | 試験全体の計画と推進 | |
NTTドコモ | 5G通信環境の構築、オペレーション | |
東武鉄道 | 試験環境の提供 |