はてなは2019年3月1日、SaaS型サーバー監視サービス「Mackerel(マカレル)」の機能を強化し、同日付けで新機能「ロール内異常検知」をベータリリースしたと発表した。同年5月の正式リリースを予定している。マシンラーニング(機械学習)によって監視ルールの設定を簡素化する。有料プラン(StandardおよびTrial)で利用できる。
はてなの「Mackere」lは、SaaS型で提供するサーバー監視サービスである。専用のエージェントをインストールしたサーバー(Windows、Linux)のハードウェアやソフトウェアの性能をリアルタイムに監視する。プラグインにより、サーバーを仲介してネットワーク機器などをSNMP(Simple Network Management Protocol)で監視することもできる。
監視ルールは、システム管理者が自由に設定することが可能だ。CPUやメモリーの使用率、ロードアベレージといった標準的なメトリックに加え、JVMやAWS RDS、ELBの状況など、カスタマイズしたメトリックも監視できる。監視対象は、サーバー機群を「データベースサーバー」などのサービス用途/役割(ロール)別にまとめて指定できる。
監視ルールには「Warning」(警告)と「Critical」(クリティカル)の2種類のしきい値を設定できる。このしきい値を超えるとアラートを発生する。アラートはWebサイトで一覧・操作できるほか、さまざまなチャネルに通知することも可能。発生した個々のアラートにつき、時刻による状況の変化をWebで可視化する(図1)。
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今回、ロール内異常検知と呼ぶ新機能をベータリリースした。機械学習を用いた機能であり、同機能を使うと個別のサーバー機に対して監視ルールを細かく設定したり、監視ルールをメンテナンスしたりしなくてもよくなる。異常を検知したいロールとしきい値を入力するだけで、簡単にサーバーを監視できるようになる。
サービス提供の背景についてはてなは、精度の高い監視ルールの設定には、専門的な知識や経験が必要になるほか、変化に合わせてメンテナンスが必要であることを挙げている。「サーバー監視では、監視しているサービスにおいて、どのような状態を異常とするかを定義し、監視ルールを適切に設定することが重要になる。ロール内異常検知では、機械学習によって、これらを簡素化する」(同社)。
Mackerelの価格(税別)は、有料プランの「Standard」の場合、監視対象サーバー1台あたり月額1800円。はてなは、この他のプランとして、フル機能を2週間無料で試せる「Trial」プランや、監視対象メトリック数や機能を絞った無料版の「Free」プランも用意している。