日本マイクロソフトは2019年4月25日、交通分野におけるオープンデータやオープンAPIへの取り組みの中で、企業の垣根を越えた社会インフラを創出することを目指し、ブロックチェーンを活用したサブスクリプションモデルのテスト基盤を構築したと発表した。JR東日本、JR東日本情報システム、みずほ情報総研と協力し、2019年1月21日から同年2月8日まで実証実験を行っている。
日本マイクロソフトは、交通分野に向けて、ブロックチェーンを活用したサブスクリプションモデルのテスト基盤を構築した(図1)。すべての人が、検索から予約、支払までを一度に行え、なおかつ移動に関わる周辺サービスも利用できる。
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「旅行者がいつ、どの交通機関を利用したか」という個人データの改竄と漏洩を防止するとともに、金融機関と接続して実施する支払いの透明性を担保するため、ブロックチェーン技術を活用した。
なお、利用者の移動履歴は、すべての参入事業者が検証できる。ただし、これによって特定の個人の行動履歴が予測できてしまうことのないように、ハッシュ化した状態で保存している。
主要な運輸業者以外にも、移動に関わる周辺サービスを提供する事業者が容易に参加できるアーキテクチャを実装した。特殊な機材を購入したり、アプリケーションを作成したりする必要はない。チケットを読み取るためのアプリケーションはスマートフォンでも動作するので、初期導入コストも抑えられる。
社会インフラ基盤には、格納されているデータに対する高い信頼性とともに、スケーラビリティや柔軟なインテグレーション特性、および高い管理性などが要求される。今回の検証では、4社の技術やノウハウ、サービスを集結し、1つのチームとして開発を行うことで、これらの要求に応える基盤をAzure上にテスト構築し、有用性を確認した。