シスコシステムズは2019年5月30日、次世代の無線LAN通信規格であるWi-Fi 6(IEEE 802.11ax、現在はまだドラフト)に準拠した無線LANアクセスポイントを発表した。2019年3月から順次、同社の「Catalyst」ブランドから3機種、Merakiブランドから2機種を販売している。価格(税別)は、Catalystブランドのエントリー機種「Catalyst 9115」で13万円から。
シスコシステムズは、次世代の無線LAN規格であるWi-Fi 6(IEEE 802.11ax、現時点ではドラフト版)に準拠した無線LANアクセスポイントを製品化した(写真1)。Wi-Fi 6は、現行の最新規格であるWi-Fi 5(IEEE802.11ac)よりも、広帯域、高密度、低遅延、低消費電力といった特徴がある。より情報量の多いデータを、より混雑した場所で、よりリアルタイムに利用できる。
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製品のラインアップとして、エンタープライズ(大規模システム/ネットワーク環境)向けのブランドとして広まっている「Catalyst」ブランドから3機種、機器の設定をクラウドで一元管理できる「Meraki」ブランドから2機種を発表した。なお、Catalystブランドで無線LANアクセスポイントを製品化するのは、今回の3機種が初めて。これまで無線LAN製品ブランドとして使っていた「Aironet」をCatalystに統合するとしている。
Catalystブランドの3機種は、Catalyst 9115、Catalyst 9117、Catalyst 9120の3機種である(図1)。Catalyst 9115とCatalyst 9117は2019年3月から、Catalyst 9120は2019年5月から販売している。上位機種にあたるCatalyst 9120はASIC(特定用途向けIC)を搭載しており、ソフトウェアではなくASICで高速に処理している。
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シスコシステムズで執行役員エンタープライズネットワーキング事業担当を務める眞崎浩一氏(写真2)は、携帯電話のデータ通信規格である5Gと、無線LAN規格のWi-Fi 6が共存すると説明する。「屋外では5G、屋内ではWi-Fiが主に使われる。Wi-Fiなら屋内でも電波が届き、位置情報だけでなくビルの何階にいるかも分かる」(眞崎氏)。