ソニーネットワークコミュニケーションズは2019年6月12日、マシンラーニング(機械学習)を用いた予測分析ソフトウェア「Prediction One(プレディクションワン)」(開発会社はソニー)を発表した。専門知識や経験がなくても、マウスを数クリックするだけで予測モデルを作成できる、としている。当面は無料で、同日提供を開始した。有料化の時期は、決まり次第Webページで告知する。
ソニーネットワークコミュニケーションズの「Prediction One」は、マシンラーニング(機械学習)の予測モデルをワンクリックで作成できることをうたう予測分析ソフトウェアである。データに合わせて、データの前処理や学習、予測モデルの生成までを自動化している。ノートPCのような一般的なPC環境でスタンドアローンで動作する(画面1)。
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予測分析は、統計アルゴリズムやマシンラーニングを用いて、過去の実績から将来の結果を予測するデータ分析手法の1つである。予測分析は導入効果が高いことから、注目を集めている。一方、増えるニーズに対して、予測分析の専門家が不足していることが、予測分析の導入の障壁となっている。
現在、「データサイエンティスト要らずのマシンラーニング」を謳い、さまざまなベンダーが製品を提供している。米データロボットの「DataRobot」、NECが米国に専門企業ドットデータを設立して開発を進める「dotData」、データプレパレーションに強みを持つ米アルタリクスの「Alteryx」、日本には未参入だがMIT(米マサチューセッツ工科大学)をルーツとする米フィーチャーラボの「Feature Labs」、2018年11月にマクニカネットワークスが提携、国内で販売が始まる米H2O.aiの「Driverless AI」などである(関連記事:「データ専門家いらずの機械学習」は本当か?「Driverless AI」の特徴と仕組み)。
ソニーネットワークコミュニケーションズが示すPrediction Oneの特徴も、予測分析に特化したかたちではあるが、「簡単に使えること。マシンラーニングやプログラミングなどの専門知識がなくても、クリックしていくだけで予測分析を実行できること」である。また、予測の精度を高める工夫として、適したモデルを選択する技術やデータを前処理する技術を搭載したという。さらに、予測結果とともに、予測理由を分かりやすく表示する。分析結果を深く理解したり、関係者に結果を説明したりできる。
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ソニーネットワークコミュニケーションズは、あるデータを使って、Prediction Oneと他社ツール4製品を比べた。学習から分析までに必要なクリック数は、Prediction Oneが6クリックで1番少なかった。処理待ち時間は4分で、1位の3分に次ぐ僅差の2位に付けた。予測精度は92.3%で、1位の92.8%に次ぐ僅差の2位に付けた。総合的に見てPrediction Oneが優れるという結果になったという。
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