ヤマハは2019年8月7日、これまでハードウェアとして提供してきたヤマハルーターをソフトウェアルーター化した「vRX」を発表した。まずはAWS(Amazon Web Services)上で動作するAMI版を2019年9月から提供する。順次、他の仮想化環境で動作する版を提供する。価格(税別)は、上限速度10Mbit/秒の最小構成で年額1万6500円。
vRXは、ヤマハが提供する、仮想アプライアンス型のソフトウェアルーターである。同社がこれまで提供してきたハードウェア型のルーター機器とソフトウェアの大半を共通化している。一部、使えない機能があるが、既存のハードウェア型ルーターの大多数のコマンドをそのまま利用できる(画面1)。
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ハードウェア型ルーターのようにスペックが固定されていないので、導入するライセンスやインスタンスタイプを変更することで、速度やVPNの接続拠点数といったスペックをスケール(拡張)できる。例えば、初期導入時は10Mビット/秒でVPN接続拠点数10で使い始め、いずれ10Gbit/秒でVPN接続拠点数5000に拡張するといったことができる。
vRXが動作するサーバー仮想化環境として、まず、AWS(Amazon Web Services)のAmazon EC2上で動作するAMI版を用意した。AWSのIaaS環境にvRXを配備してヤマハルーターとして利用できる。vRXもAWS上の1つのインスタンスとして動作するので、AWSのコンソール上から各種サーバーと同じく一元管理できる。
L2TP/IPsecによるVPN接続機能を備える。スマートフォンやタブレットからVPNで接続できる。また、固定IPアドレス環境を用意しなくても、動的IPアドレスを持つ端末からIPsecでVPN接続できるように、IPsecの通常モードに加えてアグレッシブモードを搭載した。
ライセンスは、速度の上限を定める基本ライセンス(表1)と、VPNの接続拠点数を定めるオプションライセンス(表2)で構成する。VPN接続を利用する場合は、基本ライセンスとVPNオプションライセンスの両方が必要になる。なお、最大20日間無料で使えるトライアルライセンスも用意した。トライアルライセンスの速度は10Gbit/秒でVPN対地数は100の予定。
品名 | 上限速度 | ライセンス価格 | 有効期間 |
---|---|---|---|
vRX基本ライセンス10Mbps 1年 | 10Mbit/秒 | 1万6500円 | 1年 |
vRX基本ライセンス20Mbps 1年 | 20Mbit/秒 | 2万円 | 1年 |
vRX基本ライセンス100Mbps 1年 | 100Mbit/秒 | 6万2000円 | 1年 |
vRX基本ライセンス500Mbps 1年 | 500Mbit/秒 | 18万6000円 | 1年 |
vRX基本ライセンス1Gbps 1年 | 1Gbit/秒 | 30万円 | 1年 |
vRX基本ライセンス10Gbps 1年 | 10Gbit/秒 | 200万円 | 1年 |
品名 | VPN対地数 | ライセンス価格 |
---|---|---|
vRXオプションライセンスVPN10対地 | 10対地 | 2万円 |
vRXオプションライセンスVPN100対地 | 100対地 | 18万8000円 |
vRXオプションライセンスVPN500対地 | 500対地 | 86万円 |
vRXオプションライセンスVPN1000対地 | 1000対地 | 156万円 |