Anaplanジャパンは2019年11月6日、都内で会見し、同社がクラウドサービスとして提供している計画業務支援アプリケーション「Anaplan」について説明した。最大の特徴として、会計、営業、サプライチェーン、人事などの業務を縦串でつなぎ、これらをまたいだ業務プロセス全体を俯瞰した計画を立てられる「コネクテッドプランニング」を実現していることをアピールした。

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Anaplan(アナプラン)は、経費予算や需要計画といった、企業が日々行っている計画(プランニング)業務を支援するクラウドサービスである。管理会計、営業、SCM(サプライチェーン管理)などにおいて計画の作成と管理を支援する。作成した計画を実現できるかどうかをシミュレーションによって分析できるため、プランAとプランBのどちらがよいかが分かる。
「計画業務は難しい」と指摘するのは、Anaplanジャパンで社長執行役員を務める中田淳氏(写真1)。営業計画であれば、「この会社にいくらで売りたい」という意思の反映と調整を繰り返し、最終的に計画に落とし込む。こうした意思入れと調整のプロセスは、現状ではExcelなどの表計算ソフトが担っている。
中田氏によると、ほとんどのユーザー企業が、Excelで計画を立てているという。経費予算管理では、3000人にExcelシートを配布し、記入してもらい、回収して分析している事例もある。データの収集やメンテナンス、分析などの作業が大変で、時間もかかってしまう。
業務プロセス全体にまたがった計画を立てられる
そうした中で、Anaplanを使えば、データの収集やメンテナンスに時間や手間をかけずに済む、というのが同社のアピールポイントだ。データの分析や、意思決定者との議論に時間を費すことができる。「計画を作るサイクルタイムを短くできる」(中田氏)。
Anaplanは、自社ビジョンを「コネクテッドプランニング(Connected Planning:組織横断的計画業務)」と呼んでいる(関連記事:人手と勘頼りだった財務計画・分析、Anaplanが提唱する「コネクテッドプランニング」とは?)。従来の計画作りが会計、営業、人事などの部署ごとに独立していたのに対して、Anaplanではこれらの業務をまたがって横串で分析できる。それぞれの業務の計画をつないで分析できる(図1)。

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例えば、購買から営業までの業務プロセスにおいて、営業が販売見込みを15%伸ばす計画を立てた場合、この計画が在庫や生産計画に与える影響が分かる。調達購買において、どの部品をどれだけ購入する必要があるか、といった意思決定ができる。
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