矢野経済研究所は2019年11月27日、2019年度の国内民間企業のIT投資実態と今後の動向についての調査結果を発表した。2019年度の国内民間企業のIT市場規模は、前年度比3.4%増の12兆9180億円と予測している。
矢野経済研究所が今回調査したのは、国内民間企業のIT市場規模(ハードウェア、ソフトウェア、サービス含む)。調査期間は2019年7月~10月で、国内の企業、公的団体、機関などを対象に、郵送アンケートと文献調査を併用して実施した。
今後3年間でIT投資が増加するソフトウェアでは、ERPが8年ぶりに首位になった(図1)。2019年調査(回答社数482社、最大3つまで複数選択可能)において、「ERP(基幹業務統合管理)」と「セキュリティ関連ソフトウェア」が41.9%の同率で1位になった。これまでは「セキュリティ関連ソフトウェア」が単独で1位だった。
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ERPが1位になった背景として同社は、経営環境の変化に合わせて基幹システムを更新する動きが進んでいること、ERPパッケージのクラウド化が進んでいること、SAPのERP保守サポート期限が2025年に迫っていることなどを挙げた。
2018年度のIT市場規模については、前年度比2.8%増の12兆4930億円と推計している。2019年度は前年度比3.4%増の12兆9180億円、2020年度は同1.6%増の13兆1240億円、2021年度は同1.5%増の13兆3200億円と予測している。
2018年度は、ワークスタイル変革に関する取り組みが堅調に推移したほか、民間企業の収益力の高まりなどから、大規模システムの更改も目立ったという。また、2020年1月に予定しているWindows 7のサポート終了に向けたWindows10への買い替え需要も旺盛という。これらの流れは2019年度も続くと予測している。