ヤマハは2020年2月26日、モバイル回線(LTE)を使ってインターネットに接続できるエッジルーター機器「NVR700W」を強化すると発表した。パケットの中身を見てアプリケーションの種類を判別し、これに基づいてインターネットアクセスの経路を制御できるようにする。2020年3月にファームウェアを更新して対応する。
拡大画像表示
NVR700Wは、モバイル回線(LTE)を使ってインターネットに接続できるエッジルーター機器である(写真1)。中小規模の事業所など、有線の固定回線を敷設しにくい環境などでも簡単にインターネットに接続できる。光回線に接続する場合も、小型ONUを装着するためのONUポートを備えるため、据置型ONUを接続することなく光回線を収容できる。
今回、NVR700Wのファームウェアを更新し、パケットの中身を細かく調べてアプリケーションの中身を判別するDPI(Deep Packet Inspection)機能を追加する。DPIの主な目的として、アプリケーションの種類に応じてインターネットへの接続経路を切り替えるインターネットブレイクアウトを実現する。
識別可能アプリケーション数は、約3000種類。経路制御だけでなく、識別したアプリケーション情報を利用して、特定のアプリケーションの通信を許可・阻止したり、QoS制御によって優先度を調整したりできる(図1)。アプリケーション制御のスループットは、300Mビット/秒。
拡大画像表示
ヤマハではまず、2019年9月に、エッジルーター機器「RTX830」にDPI機能を追加した。オプションライセンス「YSL-DPI」として提供している。今回、YSL-DPIの対象機器を拡大し、モバイル回線を利用できるNVR700WでもDPIを利用できるようにした形である。
価格(税別)は、NVR700W本体が11万8000円。DPIを可能にするオプションライセンス(YSL-DPI)は、1年間で2万3500円、または5年間で7万500円。