[調査・レポート]

市民は公共サービス向上のためなら個人情報の共有に前向き─アクセンチュア

2020年3月16日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アクセンチュアは2020年3月16日、市民の大半は公共サービス向上のためなら個人情報を行政機関と共有することに前向きとする調査結果を発表した。回答者の84%(日本は79%)は、よりパーソナライズされた公共サービスが得られるなら、個人情報を行政機関と共有しても構わないと答えている。さらに41%(日本は20%)は、公共サービスが向上するなら個人情報を複数の行政機関と共有してもよいと回答している。

 アクセンチュアが日本を含む世界11カ国で市民6501人以上を対象に実施した調査によると、2019年1年間に行政機関から受けた対応が満足する水準だったと回答した市民は41%(日本は20%)しかいなかった。

 一方で、回答者の84%(日本は79%)は、よりパーソナライズされた公共サービスが得られるなら、個人情報を行政機関と共有しても構わないと答えた。41%(日本は20%)は、公共サービスが向上するなら、個人情報を複数の行政機関と共有してもよいと回答した。

 これを受けてアクセンチュアは、「政府はデータのセキュリティや保護に力を入れてきたが、こうした対応は、データ活用による市民サービスの向上を妨げる可能性もある。希望する市民とデータを共有することが、サービスの革新になる」と指摘している。

市民はAIを活用した仮想エージェントを望んでいる

 市民の78%(日本は55%)は、AI(人工知能)を搭載したサービスアシスタントやチャットボットなどの仮想エージェントを使った公共サービスの利点を理解している。47%(日本は64%)は、仮想エージェントによる手続きの完了を望んでいる。

 回答者の50%(日本は62%)は、仮想エージェントを活用することで最も早く回答が得られると考えている。49%(日本は48%)の回答者は、公共サービスを24時間いつでも受けられるようになることを期待している。41%(日本は47%)の回答者は、仮想エージェントの利用によって行政機関での待ち時間が減ると答えている。

 一方で、行政機関とのやり取りで仮想エージェントを利用したことがある回答者は16%(日本は4%)しかいない。利用したことがある回答者のうち、自分のニーズをエージェントが効果的に満たしてくれたと回答した市民は44%(日本は28%)、利用体験に満足していると答えた回答者は41%(日本は20%)だった。

 アクセンチュアでは、「市民は、AIを活用した仮想エージェントに賛同している。行政機関は今こそ、仮想エージェントでサービスの幅を拡げ、市民へのサービス体験を向上させるべきだ」と指摘している。

 市民が行政サービスや公共サービスに期待する点としては、「問い合わせに対する迅速な対応」(グローバル73%、日本63%)のほか、窓口担当者に「知識の豊富さ」(グローバル66%、日本73%)や「親しみやすい対応」(グローバル55%、日本67%)を求める声も多い。

●Next:調査結果における国別の比較と、日本との違い

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