サッポロホールディングスは2020年3月26日、グループ3社が2019年8月に導入した商品需給計画システム「Supply Chain Planningシステム」(SCPlanningシステム)について、新機能の開発状況をアップデートした。2020年6月から、データドリブンによる意思決定支援システムを稼働させる。
サッポロビール、ポッカサッポロフード&ビバレッジ、サッポログループ物流の3社は、AI技術を活用した商品需給計画システム「Supply Chain Planningシステム」(SCPlanningシステム)を2019年8月に導入している(関連記事:サッポログループ、AI技術を活用した商品需給計画システムを2019年8月から稼働)。
SCPlanningシステムは、需要予測から生産計画、供給補充計画までを範囲とする、酒類・飲料・食品のサッポログループ共通システムである(図1)。サッポログループとキヤノンITソリューションズが共同で標準業務を設計し、キヤノンITソリューションズの「FOREMAST」など計画系の製品・サービスを用いてシステムを開発した。
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システムの狙いは、物流業務の標準化によって、トラックドライバー不足や業務の属人化といった諸課題を克服することである。在庫の適正化、物流の平準化、物流担当者の働き方改革などを実現する。カテゴリが異なる商品の業務フローとシステムを統一し、物流業務を標準化するとしている。
SCPlanningシステムの新機能として、2019年9月時点では、2020年上期に、データによって意思決定を支援する機能と、データの精度を向上させる機能をリリースする予定としていた。今回、新たな情報として、これらの新機能の概要が固まり、2020年6月から稼働させる予定であることを発表した。新機能によって、システムの効果を付加価値の創出へとシフトするとしている。
サッポログループは現在、配車や輸出入においても、需給計画と連携して輸送の効率化を実現するためのシステム導入を進めている。倉庫内作業についても、物流フローを実現する総仕上げとして、業務設計と新たなシステム導入に向けて検討を進めている。