日本ワムネットは2020年4月1日、企業間ファイル転送サービス「GigaCC OKURN」(ギガシーシー オクルン)を提供開始した。情報漏洩のリスクを下げ、企業間で安全にファイルを受け渡せるようにする。価格(税別)は、オンラインストレージ容量5GB、送信側10ユーザーで、月額2万4500円から。初期費用は5万円。
GigaCC OKURNは、企業間でファイルを安全にやり取りするための、クラウド型のファイル転送サービスである(図1)。ファイルを取引先などに送信したい企業がサービスを契約する。クラウドにファイルをアップロードし、ファイルをクラウドからダウンロードするためのURLをメールで先方に自動で通知する、という使い方になる。
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特徴の1つは、セキュリティに留意したことである。
データセンターはDRサイトを含めて国内のデータセンターを利用している。クラウドサービスへのアクセスはSSL/TLSで暗号化する。クラウドにアップロードしたファイルはAESで暗号化して保管する。クラウドサービスを利用するアカウントについては、パスワードルール(桁数、文字列、強制変更など)や、未使用アカウントを強制的にロックする期限などを設定できる。
ヒューマンエラーを防止するための管理機能も備える。あて先の間違いや送信ファイルの間違いといった誤送信を防ぐ機能として、ダウンロードURLの配信を停止する機能を持つ。また、送信済みのファイルを一定期間後に自動で削除する機能を持つ。不必要なファイルが残ったままになるリスクや、サーバー容量を消費するリスクを防ぐ。オプションで、あて先をホワイトリスト/ブラックリストで制御できるほか、承認ワークフロー機能を追加できる。
なお、今回発表したGigaCC OKURNは、既存プラン「GigaCC ASP」が備える機能のうち、ファイル転送に特化した新プランに相当する。
GigaCCは、ファイル転送機能に加えて、ファイル共有機能を備える。ファイル共有では、ダウンロードURLを通知するやり方ではなく、クラウド上のフォルダをユーザーで共有する形になる。クラウドサービスにログインしてファイルを共有する。ファイル共有のアクセス権は、アカウントごとにフォルダ(ディレクトリ)単位で設定できる。
新プランは、ファイル転送に特化した用途に合わせて、GigaCC ASPよりも大容量のデータを扱えるようにした。GigaCC ASPの最小構成は、1GB、10ユーザーで、月額1万2000円である。一方、GigaCC OKURNの最小構成は、5GB、10ユーザーで、月額2万4500円である。