[新製品・サービス]
プライバシー配慮の上で店舗の混雑度をカメラ画像で把握可能にする「ソーシャルディスタンスカメラ」─アースアイズと日商エレ
2020年5月11日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
アースアイズと日商エレクトロニクスは2020年5月11日、小売店舗や施設における新型コロナウイルス対策として、プライバシーに配慮したまま混雑レベルをカメラ画像で確認できるシステム製品「ソーシャルディスタンスカメラ」を発表した。人間のおおまかな骨格を線画で表すことで、誰が映っているのかを分からないようにしている。
アースアイズと日商エレクトロニクスの「ソーシャルディスタンスカメラ」は、店舗などの混雑レベルをカメラ画像で把握できるシステム製品である(写真1)。店舗を利用する顧客は、店舗を訪れる前に、スマートフォンで閲覧したカメラ画像から、店舗の混雑レベルを確認できる。時間帯による混雑レベルの違いなどもグラフで参照できる。
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特徴の1つは、AI画像認識によって、個人のプライバシーを保ったまま混雑度が分かること。人間のおおまかな骨格を線画で表し、色分けして表示する仕組み。誰が映っているのかは分からないが、どこに人間がいるのか、人間と人間の距離がどれだけ離れていて、どれだけ密集しているのかが分かる。
300坪程度の小売店などの場合、メイン通路の3カ所程度にソーシャルディスタンスカメラを設置する。各カメラが検知する人と人の間隔データをAIで解析し、ホームページや施設責任者のスマホに密集レベルを通知する。出入り口の人数カウントカメラなどと連動させることで、混雑時間などを予測することもできる。
システムの技術要素として、カメラだけで3D空間を把握できるアースアイズの技術を使っている。例えば、センサーを使わずに、5メートル四方の中に何人いるのかをカメラだけで正確に捕捉できるとしている。アースアイズは、この上でさらに、画像に映し出された人物を瞬時に代替画像(骨格を表現した線画)にする技術も開発しており、今回のシステムに採用している。