NTTコミュニケーションズは2020年6月29日、自然文を使って社内の情報を検索できるサービス「COTOHA Search Assist」を発表した。顧客からの質問への回答にも利用できる。文章の内容を理解できるAIを活用しており、単にキーワードで検索する場合と比べて、より的確な回答を提示できる。2020年6月30日から提供する。価格(税別)は、月額50万円。利用ユーザー数は100人まで。ドキュメント容量は5GB(ファイル数は500)まで。
COTOHA Search Assistは、自然文を使って社内の情報を検索できるサービスである(図1)。文章の内容を理解できるAIを活用している。単にキーワードで検索するタイプの製品と比べて、より的確な回答を提示できるとしている。
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検索エンジン機能をクラウド型で提供する。検索対象となる社内文書は、Webブラウザからユーザー専用のURLを介して登録する。業務マニュアルなどのドキュメントをアップロードするだけで、書いてある内容をAIが読解して取り込む。
エンドユーザーは、Webブラウザから自然文で質問を入力する。登録済みドキュメントをファイル横断型で全文検索し、質問の意図に合致した答えを提示する。Web上で利用できるため、社外の顧客からの質問に回答する用途にも利用できる。
登録文書と質問文の文意をAIが理解
特徴の1つは、AIが文意を理解することである。NTT研究所が開発した、文章の構成(章立て、見出しなど)を把握できる機械読解技術を活用した。アップロードして取り込んだ社内文書についても、社内文書を自然文で検索する際の質問文についても、内容を理解する。
例えば、「異動した後に必要な手続きは?」と質問すると、社内システムの設定マニュアルや、名刺の発注に関する文書など、複数のドキュメントの中から該当する章を探し出し、手続きが記載されている箇所を提示する。単純に「異動」や「手続き」といったキーワードを含んだドキュメントを検索するより、的確な回答を提示できる。
登録する文書の内容をAIが理解することから、あらかじめFAQ(質問と回答のペア)を手動で作成する必要がない。業務マニュアルなど既存のドキュメントをアップロードするだけで、AIが内容を理解し、質問の答えに相当する情報を含んでいる箇所を提示できる。FAQを作成する手間が減るほか、FAQでカバーできない低頻度の質問にも対応できる。
使えば使うほど、精度が向上する。質問内容と提示した結果を記録し、結果に対する質問者の評価を蓄積する。これにより、AIが自動で学習する。使えば使うほど検索精度が向上する。
●Next:想定する主な利用シーン
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