NRIセキュアテクノロジーズとTMIプライバシー&セキュリティコンサルティングは2020年8月6日、電子署名や電子契約を可能によって、契約や社内決裁業務のペーパーレス化を支援するサービスを提供開始した。
NRIセキュアテクノロジーズとTMIプライバシー&セキュリティコンサルティングは、電子署名や電子契約を可能によって契約や社内決裁業務のペーパーレス化を支援するサービスを開始した(図1)。
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企業がテレワークを導入する際の障壁となっている押印手続きや社内決裁の業務を電子化する。決裁文書や取引文書(契約書、見積書、請求書、領収書など)をペーパーレス化するための仕組みづくりを支援する。
同サービスは、主に3つの要素で構成する。これらのうち、押印や契約・決裁業務に関わる部分は、両社の専門家が共同で作業に当たり、情報システムやそのセキュリティ対策に関わる部分はNRIセキュアが担当する。
- 押印手続きに関する業務と関連システムの確認
- 社内で用いられる各種文書のなかで、今後電子化の対象とする文書を決定する。その文書作成に付随する社内業務フローや押印手続き、関連する社内規程を洗い出し、現状と課題を整理する。押印の種別や権限、文書の保存期間および文書ファイルの管理体制、ファイルの版(バージョン)管理と命名ルールなどについても、詳細に確認する
- 次に、社内で利用しているワークフローや会計システム、グループウェア、文書管理システムなどのシステム構成を確認する。また、決裁や押印のフローでは、なりすましなどの不正行為への対策として、認証・認可について適切な対応が行われているかどうかを確認する
- 電子化に向けた要件の整理
- 社内規程と帳票類の確認結果を踏まえて、押印手続きのフローや標準ルールと、例外処理のあり方などを検討する。電子署名の方式、ファイルの保管方法やその期限、認証・認可方式といった電子化のための業務要件を整理し、セキュリティ要件やシステム要件も含めた、要件仕様書を作成して提示する(ここまでがPhase1)
- 導入方針の検討と計画立案
- 要件仕様書に基づき、押印手続きを電子化する仕組みの導入方針を立案する。なお、既存システムを活かした仕組みづくりを検討する場合は、サイバートラストの認証基盤「iTrust」に代表される、電子認証サービスの導入が有効だとしている。顧客企業の実情や業務環境に最適なソリューションを提案する(Phase2)
- 計画立案後のパッケージ導入やシステム構築・実装についても、要望に応じてNRIセキュアが支援することができる(Phase3)
さらに、押印手続きの電子化に加えて、安全なテレワーク環境の構築についても、NRIセキュアがワンストップで支援する。テレワーク環境下で電子署名や電子契約の業務を安全に遂行するためには、オフィス・自宅などの執務場所(ロケーション)や利用する端末に制約されない、安全なインターネットアクセス環境づくりが求められる。
背景について同社は、現在すでに様々なクラウド型電子契約サービスや製品などが登場し、押印手続きや社内決裁の仕組みが電子的に完結可能になってきていることを挙げる。
テレワークを推進するため、多くの企業が電子化を進めようとしているが、一部の企業では、「文書の種類が多く、社内プロセスも複雑なため、どこから手を付けていいかわからない」、「新しいシステムやサービスを一から導入するのではなく、既存の社内ワークフローやファイル管理・送受信システムなどと連携した仕組みを構築したい」、「従来の業務フローを大きく変えたくないので、当事者型の電子署名の仕組みを導入したい」、「テレワーク環境で押印手続きを完了させたいが、セキュリティ対策が十分かどうか不安がある」といった課題があるという。