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伊藤忠商事、基幹システムの帳票基盤を再構築、紙と電子の帳票基盤を統合

2020年8月25日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

伊藤忠商事は、基幹システムの刷新プロジェクトにおける帳票基盤の再構築にあたり、OCR(光学文字認識)機能を備えた文書管理ソフトウェア「SPA」と、出力帳票を印刷前に集約/格納するスプールサーバーソフトウェア「RDE」を導入した。これらのソフトウェアを提供したウイングアーク1stが2020年8月25日に発表した。

 伊藤忠商事は、2015年から次世代基幹システム構築プロジェクトを推進している。2018年5月にSAP S/4HANAを導入し、全社統合データ基盤をリリースした。現在、2020年度末までを目途に、経理・財務・与信など複数の業務領域について、個別システムの再構築や大規模改修を進めている。

 基幹システムの刷新に合わせ、2019年から帳票基盤の再構築に取り組んでいる。その背景として同社は、紙帳票システムと電子帳票システムが老朽化している点を指摘する。「請求書など紙帳票の控えを電子データで保存するには、電子帳票システム用に別途帳票を作る必要があった。また、紙帳票と電子帳票の基盤が別々であり、業務の効率化を阻害していた」という。

 上記から、紙帳票と電子帳票の2つの基盤を統合する帳票基盤を再構築した。電子帳票システムを担うミドルウェアとして「SPA」を、紙帳票システムを担うミドルウェアとして「RDE」を導入した。さらに、これらを組み合わせて利用できるようにするシステム構築サービス「SPA Integration Service」を導入した。

 SPAを用いた電子帳票システムは、主に請求書PDFや為替予約帳票、残高確認帳票の閲覧に活用している。経理部署や営業部署を含め、すでに約2300人のユーザーが利用している。2020年度中に、会計帳票など100種類以上の帳票が新帳票基盤に移行する予定である。

 残高確認にかかわる帳票を電子化(PDF、CSV)したことで、残高確認業務を大幅に効率化した。特に、海外現地法人向けの残高確認に関しては、以前は大量の紙を印刷していたが、年間で約20万枚から13万枚程度へと削減できる見込み。他にも、紙の請求書をスキャンして顧客に事前送付していたケースについては、紙の請求書とともにPDFデータも出力できることから、作業負荷が減った。

 PDEを導入した効果も出ている。請求書や残高確認帳票、基幹システムや部門システムと連携した帳票など、主に外部送付を目的とした帳票を年間約150万枚印刷しているが、RDE導入後は、印刷に必要な帳票の枚数が減った。センター印刷を廃止し、各部門でユーザー自身が必要な時に印刷を行うオンデマンド印刷への転換を目指している。また、以前はプレプリント用紙を使用していた請求書の印刷を、普通用紙に変更したことで、用紙管理が不要になった。

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