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[市場動向]

「現在のJavaは軽量でコンテナの開発に向く」、日本マイクロソフトとレッドハットが対談

Red HatはQuarkusをサポート、Javaによるコンテナ開発を支援

2020年9月18日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

「現在のJavaはコンテナやサーバーレスなどのクラウドネイティブ開発にも向いている」――。2020年9月18日、Java開発に詳しい専門家として、日本マイクロソフトの寺田佳央氏と、レッドハットの伊藤智博氏が対談した。両氏は、現在のJava開発がクラウドネイティブ開発にも向いていることを力説した。

 「現在のユーザー企業は、厳しい競争環境に置かれている。いち早くサービスを実現して届けることが求められている。このためのIT技術として、コンテナやサーバーレスが役立つ」――。日本マイクロソフトの寺田氏は、こう市場を捉える。

 レッドハットの伊藤智博氏は、「Node.jsなどを使うWeb系アプリケーションの開発案件だけでなく、Javaを使うエンタープライズ(企業情報システム)系の開発案件においてもクラウドネイティブが注目を集めている」と説明する。

 コンテナ型アプリケーションの開発においては、起動時間が短くメモリー使用量が少ない軽量の言語が使われる。これに対してJava言語は、起動時間が長くメモリー使用量が多いという弱点がある。レッドハットの伊藤氏は、「解決策がすでにある」と説明する。

 例えば、汎用ランタイムの「GraalVM」を使うと、JavaアプリケーションをLinuxのネイティブバイナリにできる。実行時(JIT)コンパイルではなく事前(AOT)コンパイルによって、即時実行可能なバイナリを得られる。起動時間が短くなり、メモリー使用量も少なくて済む。

Red HatはQuarkusをサポート、Java開発を支援

 ネイティブバイナリ化したJavaアプリケーションをKubernetes環境にデプロイして運用するためのJavaフレームワークが、米Red Hatがサポートを表明している「Quarkus」である。Quarkusを使うことで、Java言語で開発したアプリケーションでありながら、起動時間が短く、メモリー使用量が少なく、小さなサイズのコンテナイメージを実現できる。

 Java言語で実際にコンテナ向けのアプリケーションを開発する上での注意点について、日本マイクロソフトの寺田氏は、「より小さなアプリケーションを組み合わせる考え方がコンテナには向いているので、ドメイン駆動設計やマイクロサービスのデザインパターンを押さえるとよい」と指摘する。

 開発にあたってのJavaのメリットの1つとしてレッドハットの伊藤氏は、「運用管理やスケールアウトなどの非機能要件が充実していること」を挙げる。「誰でもシステムを作れる時代なので、設計がおざなりになるリスクがある。Javaは歴史があり、非機能要件が充実している」と説明する。

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Quarkus / Java / Red Hat / Microsoft / クラウドネイティブ

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