NECは2020年10月7日、AIで予測分析した結果を可視化し、次の一手を提示するサービス「アクショナブル・インサイト・ビジュアライゼーション」を販売開始した。要素技術として、2020年11月下旬に日本で提供を開始するAIデータ分析ソフトウェア「dotData v2」を利用する。
dotDataは、AIを活用した予測モデルの生成を自動化できるソフトウェアである。これまでであればデータサイエンティストが実施していた、データの準備、仮説の立案、機械学習、分析結果の説明、――などを自動化する。NECが2018年4月に米国に設立した米dotDataが開発し、2018年7月からNECが国内で提供している。
今回の新サービス「アクショナブル・インサイト・ビジュアライゼーション」は、熟練した専門の分析者だけでなく、現場担当者でも高度な予測分析を可能にするものである(図1)。
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これまで、企業におけるデータ分析は、BIツールで過去データを集計・可視化して過去の事実を理解するところからスタートし、予測分析は必要に応じて専門の分析者に依頼していた。
今回NECは、BIツール「Tableau」との連携を実現したdotData v2の最新機能を利用して、過去データをdotDataで分析し、隠れているインサイトと未来の予測を導き、業務への迅速な適用を促すサービスを提供する。
これにより、現場担当者は、過去の事実だけでなく、「何がその事実に深い関係があるのか」というインサイトから、それに基づく未来の予測、「次に何を行うべきか」という示唆までTableauダッシュボード1つで把握でき、よりすばやい意思決定が行えるようになる。
新サービスは、プロトタイプ開発フェーズと運用フェーズの2つのフェーズで構成している。プロトタイプ開発フェーズは、最短3カ月で行う。ユーザーのビジネス課題の確認、業務プロセスの明確化、データの確認と分析設計を、NECのコンサルタントとともに実施し、その後、dotDataを活用した予測分析と、Tableauダッシュボードの開発を行う。
プロトタイプ開発には、NECのノウハウテンプレートを用いることもできる。ユーザー側での負担が少なく実装できるように工夫している。運用フェーズでは、定期的な予測実行を行う。ユーザーは、NECと共同で開発したTableauダッシュボードに予測結果を取り込むことで、最新の予測結果を適宜業務で活用できるようになる。