SNP Japanと富士通は2020年10月22日、説明会を開き、最短6カ月でSAP S/4HANAに移行する手法「BLUEFIELD」(ブルーフィールド)アプローチについて説明した。短期間で移行できるように、システムとデータを分離してシステムから先に移行する。富士通は2020年10月初旬から同手法を用いた移行支援サービス「SAP S/4HANA BLUEFIELDコンバージョンサービス」を開始している。
独Schneider-Neureither & Partner SE(SNP)(日本法人:SNP Japan)は、SAP ERP 6.0からSAP S/4HANAへの移行を支援するデータ変換基盤ソフトウェア「CrystalBridge」を提供している。SIベンダーは、システム移行サービスのツールとしてCrystalBridgeを使うことで、顧客であるユーザー企業の S/4HANAへの移行を効率化できる。SNP Japanによると、グローバルで140社以上の実績がある。
国内のSIベンダーでは、NTTデータ グローバルソリューションズ(NTTデータGSL)と富士通の2社が、CrystalBridgeを用いてS/4HANAへの移行を支援するSIサービスを提供している(関連記事1:NTTデータGSL、SAP S/4HANAへの移行を支援するSIサービスを体系化、関連記事2:富士通、最短6カ月でSAP S/4HANAに移行できるツール「CrystalBridge」と移行サービスを提供)。加えて、グローバルパートナーの1社である日本IBMが国内でCrystalBridgeを用いたSIサービスを提供している。
CrystalBridgeの特徴は、S/4HANAへの移行方法として、独自の「BLUEFIELD(ブルーフィールド)」アプローチを採ることである(図1)。BLUEFIELDアプローチについてSNP Japanは、「Greenfield(新規構築)とBrownfield(単純移行)のいいところ取りの手法」と説明する。
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一般に、S/4HANAへの移行手段は大きく2つある。「Greenfield(グリーンフィールド)」アプローチは、新規構築である。S/4HANA上に新規にアプリケーションを開発する。もう1つの「Brownfield(ブラウンフィールド)」アプローチは、コンバージョン(変換)である。SAP ERP 6.0で動いている既存のアプリケーションをそのまま変換して移行する。
BLUEFIELDアプローチでは、アプリケーションをシステム部分とデータに分け、まずはシステム部分を自動変換ツールによってS/4HAHAに移行する。この作業を2~3週間で実施する。その後に、業務に必要なデータを選択的かつ段階的に複数回に分けて移行する(図2)。こうしたやり方によって、最短6カ月で移行が完了するとしている。
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